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ボタン´

※トワイライトゾーン シーズン1「Button, Button」に触発されて。【ネタバレ】あり。

 見知らぬ男が家にやって来る。あなたのためになるお話です、と言うからバカげた宗教の勧誘かと追い返そうとしたが、1000万円がもうかる話ですと言い直したので家に上げ、話を聞く事にする。男はカバンから15センチ立方程の箱を取り出し、テーブルの上、私と男のちょうど真ん中に置く。箱の上には直径10センチくらいの赤い押しボタンが付いている。男が言う「あなたがこのボタンを今から24時間以内に押せば1000万円があなたの」ピンポン! 箱から音がした。私は男が説明を終えるまで待たなかった。私の右手がボタンを押していた。「ちょ、ちょっと待ってください! 説明は最後まで聞いてください。あなたがこのボタンを押すと1000万円があなたのモノに」ピンポン! 「ハイハイ! 2回押したから2億円ね!」「人の話を聞いてくださいっ! まだダメ! ノーカウント! それに1回だけで1000万円ですっ。」「そなの?」男は少しイライラした感じで言葉を続ける。箱は男が抱え込んでいる。「1回だけです。1000万円があなたのモノになります、しかし! 世界のどこかであなたの知らない人が一人死ぬ事になります。この箱は明日、今から24時間後回収に伺います。よく考えて―」男がゆっくりと箱を差し出す。途中、どんな操作をしたのか箱の上の赤いボタンが光り出した。ピンポン! 「ハイハイハイ! 押した! 1000万円ね! 現金? 振り込み? 現金が良いなァ」男はなぜか私の反応に腹を立てている様で、いかにも怒りを抑えているといった感じで応える。「現金で、今! お渡しします。」男は、私が感謝の意を示そうと差し出した手に分厚い1000万円の札束を渡し、箱をカバンに入れて帰ろうとしている。私はふいに浮かんだ疑問を口にした。「その箱、どうするの?」男はそれを待っていたと言わんばかりに振り向き不気味な微笑みを浮かべ「世界のどこかのあなたの知らない人のところへ…」男はハッと表情を変えてつぶやく。「この男の場合、知ってる奴の方が…」

※ず~っと昔、見た様に記憶しています(ホントの事は解りません)。ラストのヒトコトが怖かった。最近のリメイクの映画は… 見ました。20130329
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人類は孤独?

 晴れた休日、昼飯に久しぶりに袋ラーメンを食べたくなって近所のストアに買いに行く。日曜日のお昼前だから、店は空いている。袋ラーメンとラーメンに入れるウインナとホウレンソウを買って外に出る。ああ、やっと春らしくなったなあ、今日はいい天気、と空を見る。ああ? あれは… 雲? じゃない。ああ、言いたくないけどUFO? でかい。空を見上げる私の視野の4分の1は占める大きさ? 白、というか銀色? 表面の感じは明らかに金属。雲の見間違い、じゃないよね? ゆっくり回転してる。どのくらいの高さに在るのか? 大きさの見当が付かない。あたりに人がいない。この脅威を不安を喜びを共感してくれる人はいない。店にとってかえして誰かを連れてくる? 連れてきてアレが無かったら? 見えなかったら? 私が突然ビョーキになっただけだとしたら? やっぱりただのUFOそっくりの雲だったら? 雲の見間違いって結構あるらしい。ああ、誰かいないか。あ! 店から出てきた若者の前に、私は駆け寄り立ちふさがり、黙って空を指し示す。眉をしかめチラと上を見た若者はワリと無表情につぶやいた。「CG?」 …そうかもしんない。20130310

読書推進活動について

 物語を読むべきだ、という主張の根拠は、死ぬ前に見るという「今までの人生が走馬灯の様に…」アレと関係がある、らしい。あの死ぬ前に見る、今までの人生が矢継ぎ早に思い起こされるというのは、死ぬような事態に直面した脳ミソが、生き延びるための方法を今まで蓄えた記憶から必死になって検索してるんだって。だけどいくら検索しても自分の人生分しか情報は無い。解決方法が発見できなければアウトね。ゲームオーバー。けれど、物語を読んでる人は、他者の人生の情報が少なからずキープされているのだ。例えば、エジソンはこれでピンチを脱した。キュリー夫人はこうして苦難を乗り越えた、信長はこうして本能寺を… ダメじゃん。まあそーゆーいろいろの情報を持っているわけだ。これは生き延びる可能性が大きくならないかい? という事で、死にたくなかったら本を読め、という読書推進活動のキャッチコピーにどうだろう? 死にたくなかったら本を読めっ! …本気にしないように。20130312

鶴の怨返し?

 「おまえさま、ついに見てしまいましたね。」妻は言った。「私は、5年前の冬の晩、あなたに助けられた鶴でございます。あの時の恩返しにとこうして人の姿を借り、あなたの妻となり今日まで過ごしてきましたが…」「ちょ、ちょっと待って、」私は慌てて妻の言葉をさえぎり話し出す。「俺も、言わなきゃなんない事があんの。俺、ホントは6年前にこの家のおばあちゃんに助けられたタヌキなの。ホントの人間の息子は8年前に都で一旗揚げるって出てっちゃったの。それから、ばあちゃんボケが来て、息子のフリしたら喜んでくれて、そんで、ずっと… 2年前ばあちゃんが死んじゃって、でもお前がいたから、」「タヌキ!」「いや、だから…」「タヌキィ!!」妻だった動物の手が震えている。ああ、怒らせちゃった? そんで、ひょっとして鶴ってタヌキが大嫌い? 20130314

引越し

 朝起きると引越しだった。何ぐずぐずしているの、母親に怒られ、ぼさっとしていると置いていくぞと父親に怒鳴られ、自分の持ち物をダンボールの箱に詰める。荷物になるんだからな、要らない物は捨てていくように、父親が言う。ああ、確かに荷物になるだろうな、ランドセルが3つ押入れから出てくる。体育館の上履きも8足と右側のみ1つ。明らかに自分の持ち物にしては多過ぎる。けれど、いずれも私の物に間違いは無い。何なんだ。けれどこの際、引越しなんだからと、どんどんゴミ袋に入れる。下敷き12枚、筆箱14個、手袋7組、同じ物が次から次と出てくる。ああこれは祖母が編んでくれたもの、網目が積んでいて固い感触の手袋が12組。捨てられない。その他にも思い出の釣竿7本、小学生の時駄々をこね親友とお揃いで買ったジャンバー4着、中学の部活で使ったテニスのラケット5本、自転車のパンク修理用キット3つ、漫画の単行本… 数えきれない。どれもこれも思い出の品だ。泣きながらそれをゴミ袋に入れる。持っては行けない。そう、なぜか持っては行けないのだ。持ち物を出来るだけ少なくするため、泣きながら思い出の品をゴミ袋に入れる、父親がやって来る。持ち物の選別をしている私の横に座り、さっきは悪かったな、と声をかけてくる。けど、急げよ、時間が無いのは本当だ。肩を叩き父親は私のそばを離れる。父親も泣いていた。母親も、多分キッチンで思い出の品を手に泣いているのだろう。そう、時間は無い、月はもう緑色になっている。時間は無い。私達は行かなくてはならない、速やかに。持ち物は最小限。選択をしているようだが、最終的に身一つ。最初からそれは言えない。選ばせて、でもその結果の全てはNG。持って行ける物は… 身一つ。解ってはいるでも、引越しと言って持っていく物を選別する。これはこのキーホルダーは幼稚園の時、好きだったあの子が… 涙があふれて、あふれて、目が覚めた。目が覚めたんだ。あの子とは卒園式以来会ってはいない。20130107

夢魔

「あのね、ソイレンちゃんがきたの。そんでもって、バンバンとんでテーブルにぶつかって、で、コップがおちたの。パーンって。由香わるくないよ。」娘が言う。はいはい、おやつをつまみ食いしたのも、カーテンにぶらさがって破ったのも、壁にクレヨンで落書きしたのも、み~んな、ソイレンちゃんなのね。
「そだよ。」スプーンでアイスクリームを口に運びながら娘は続ける。口には運んでいても、食べるためか、口の周りになすり付けるためかはよくわからない。
「ソイレンちゃんはね、いたずらが好きなの。元気なの。悪い子じゃないんだよ。」はいはい、そうでしょうね、いたずらが好きで、元気がよくて、ちっちゃくってかわいい女の子なんでしょうね。
「ちがうよ。ひょろんとして、きいろ… ダメー!」話は唐突に終わり、口の周りのアイスクリームを飛ばしながら、娘は絶叫する。視線と手にしたスプーンで指し示す先には夫が見ているプラズマテレビ。どこかの国のライブ映像。
「カイモイはだめー! カイモイはだめなのー!!」起こった事にすぐには対処できなかった、何? 何? 何? 椅子の上に仁王立ちになり肩で息をしてテレビの画面をにらみつける娘を見ながら、思考は高速回転で空回り。夫も寝転んでいたソファから起き上がり娘を見る。その時、爆発音が聞こえ、画面を見ると、粉塵で真っ白になっていた。私たちはテレビでとはいえ、後世“?7.12”と言われるあの不可思議な事件の目撃者となった。

 所沢航空記念公園、青く高い空、暖かな日差し。休日を楽しむ人々。でも娘は突然私にしがみつき、「カイモイ」とつぶやく。夫と視線を交わす。周囲を見回す。絶望と無力感に負けそうになりながらも私たちは探す。生き残るための何かを。20101006

来訪者

 昔の友人の村木が家にやって来る。「おー、ひさしぶり、元気してた?」などと口火を切って、たわいのない話を始める。最近仕事がうまくいってなくて… などとお決まりの愚痴―高校の時は先生やクラスメイトに関係した愚痴だったが―を言いだしたのは昼だった。「わぉ、もう昼だぜ、なんか食う?」てんで、奥さんにラーメンを作ってもらい食べる。それからもいろんな事を喋り、もう話す事もなくなり、会話も途絶え… でも村木は帰らない。仕方がない「じゃあさぁ、森ンとこ、行ってみない?」と提案する。村木はフヌケた顔で「森なら… あれ? 一緒に来なかったっけ? ここに」オイおいオイ、大丈夫か? 酒はビールしか出してないぞ。まあそれでも11時から飲んでんだけどね。ってんで森の、やっぱり古い友人の家に行く事にする。久しぶりだが、住所は知ってる、家にいるだろう事も、何故かわかってる。で出かけて、午後の7時には森の家に着く。「おお、久しぶりだな、元気?」さすが旧友、言うことが俺と同じ。それでたわいのない話をまた初めて、遅い夕飯を御馳走になって、もう話す事も無くなり、会話も途絶え… で、森が言う。「じゃ、今度は村木ン家に行ってみない?」俺は酔った頭で考えて「村木なら… あれ? 一緒に来なかったっけ? ここに」森は、おお~ぃ、だいじょうぶかぁ、なんて言いながら、オマエ酔っ払ってんじゃないの? いこいこ、村木ン所。で俺たちは出かけ、もはや深夜なのでタクシー飛ばして俺たちは村木の家に。絶対に奴はいる… いまだ独身の村木の家でチャイムを鳴らしたのは午前3時。でも村木はすぐにドアを開け「お、久しぶり元気してた? 森」20130304

プロフィール

Author:KU2
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