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トレイサー

 昔好きだった女性のブログを偶然見つける。たわいのない日常の所感が書き綴られ、時々目を通していた。ストーカーじゃあるまいし、そこで何をするという事もないけれど、でもゲスな表現で言えば覗き見の楽しみがあったと言えば正直… あった。で、今年になってアップロードの回数が減って、しかも書かれている内容から彼女は膵臓ガンの末期かもしんない、と思うようになった。ホントの事は判んない。でも、その病気で死んだ私の親と状況が… 似ている、と言えない事もない。私の親は発見が遅く3ヶ月で。しかし検査が早ければ、助かる可能性が無いわけじゃない。どうする。コメントに書き込んだ文章を消して、また悩む。あの彼女は昔好きだった彼女なのか本当にそうなのか? いや、そんな事は関係ない、のかもしれない。知らせてあげれば、それが誰でも一人の人間が生き延びる可能「キモー!」…勘弁してくれ。…そうだな、突然のそんな知らせは気持ち悪い。私は、もうそんな風に思われるのはまっぴら。見ているだけで、祈っているだけでいいじゃないか。許して欲しい。でも、本当に、それで… ああ、3ヶ月なんてすぐだぞ! でも… 20130526
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国民番号

 国民番号法が成立? マイナンバー? いいじゃん。行政事務の効率化? OKじゃん! いい、いい! でさ、でさ、試行として、マズは、政治家番号制にしてさ、関連団体や持ち株会社やその他全てのお金の流れを一元管理で… え? ダメ? どして? 20130524

 昔の親友と酒を飲む。田崎? いや、最近連絡取ってないなあ。あー、2年くらい会ってないなあ。でも、便りのないのは元気な証拠、って言うじゃん、きっと元気だよ。これも2年くらい会ってなかった河村がため息をついて喋り出す。だから、おまえは鈍いって言われんだよ。バカッ正直なんだよ。 …そこがいいとこでも… まあいいや。んで、ザキはそんな奴じゃない。酒はたかる、煙草もねだる、小銭もせびる。借りたモノは返さないし、約束も… …何の話だっけ? ザキの話? そう、ろくな奴じゃなかったけど、奴はそれなりの美学を持っていた。そーゆー奴だった。だから、おまえんとこにも、俺のとこにも連絡がないって事は、奴は今困ってるんだ、厄介事に巻き込まれてんだ。なんてマジな顔して河村が語って、次の日二人とも二日酔いで、大いに苦しんで、そして… そして、1ヶ月後、河村があちこち聞いて歩いて、探しまくったんで… で、俺達は、河村と俺は、肝ガンで死ぬ田崎に、死ぬ前に会えたってわけだ。今、俺は田崎の墓の前にいる。でも、河村は葬式にも来なかった。死が二人を別つまで、だ。死んだら終いだよ、アレ、これ男と女の話か? キモチワルイよな。なんて奴は言っていたが、俺は河村に同じ事をしてやれるのだろうか? あいつらこそ親友で、俺は… 奴らの親友になれるのだろうか? してもらえるのだろうか? 俺は… 20130512

くれおぱと5

 学生時代、友人の下宿に転がり込んでず~っと酒を飲んでた時の話。朝起きた友人が言う「今気が付いた。俺の前世はクレオパトラだ」 昨日だいぶ飲んだからな、空になって転がってるロバートブラウンの瓶を横目で見ながら「そうか、俺はアントニウスだ。会いたかったぞ」 二人とも21歳のムサイ男だ、変な期待はしないように。「で、何を根拠に? クレオパトラなんだ?」「わからん。しかしお前がお前である根拠は何だ? 証明した事あるか?」「夜中に自転車乗ってて職質された事がある。学生証見せた。お前クレオパトラの証明書持ってんのか?」「持ってるわけないだろう」「じゃ、古代エジプト語、でいいのかな? しゃべってみろよ」「最近しゃべってないからな、ア、アァ、アラホラサッサー!」「…それは違う、と思う」「お前に古代ヘジプト語は理解できん」「ヘジプト語なんて知るもんか。それにそれがクレオパトラの使っていた言葉だとしても、同時代の人間とまでしか証明はできんぞ。同じ日本語喋っていても俺は田原俊彦じゃねぇ」「うう、確かに」「その時代の言葉も解らない、知識も技能も引き継いでいません、身に付けていたその時代の全てを失い、なおかつクレオパトラだったと主張する事にどんな意味がある? それに、1950年にドイツの特別な病院で死んだ自分はクレオパトラだと信じてた老婦人の生まれ変わりかもしれない可能性はないのか? 両者にはどんな違いがあるのだ? ないのか?」頭を抱える友人を追い込む、チョット快感。「ううううう、あ、そうだ。ひとつだけ思い出した! カエサルをはじめ多くの男達を籠絡した古代ヘジプト流快楽術奥義、コブラのベーゼ!!」だから止めろって! そーゆーオチは! ああ、 …後は書きたくない。 2011-20130403

いる

 図書館によく行く。最近学習室が出来て、確保したスペースを長時間自由に使えるので居心地が良い。でも、問題がひとつある。時々、図書館の入口に真っ赤なワンピースを着た女性が立っている。50いや60歳? 長髪なんだがところどころピンピンと音が聞こえてきそうに髪の毛が逆立っている、顔は昔なら夏のハワイで3週間は遊んだ、ってくらいに黒い。ハッキリ言うと… 一度見たら忘れられない、忘れたくとも忘れられないお婆さんが立っているのだ。そーゆーのを見る人? いや、どうなんだろ? 今までは無かった、でも、アレは… 彼女は何時も入口から館内をにらみつけている。彼女に会うとなぜか、活力のゲージがズズズと下がるのだ。生命力を持っていかれる、そんな感じ。だから、仕上げなければならないレポートが無いような時は、遠くから真っ赤なワンピースを見ると回れ右をしてしまう。あまりかかわり合いになりたくないからね。そんなある日、その日はやらなければならない、期日が迫った課題があって、しかも! 真っ赤な婆さんもいたんだ、トホホ。意を決して、婆さんを見ないようにして、図書館の入口に進んだ、「あんた! いつもいつも邪魔なんだよっ!!」体格のいいおばさんが真っ赤な婆さんにぶつかりそうになって怒鳴りだした。「いつもいつもいつもいつも、入口にっつ立って! 人が注意しないのをいいことに、ぼーっとしやがって! 邪魔なんだよっ!」赤いお婆さんはスーッと消え ないでペコリと頭を下げてトタトタとバス停の方へ歩いて行った。ああ… 生きてたんだ。幽霊じゃなかったんだ。でも、怖い。生きてる人が… え? どっちの? 20130515-2

夜散歩する

 夜、散歩をしている。大きな窓から淡いオレンジ色の光、常夜灯? 近寄って見るとカフェなのかイタリア風のしゃれた椅子とテーブルがゆったりと並んでいる。こんな時間だ、もちろん閉店していて人の気配はない。いいなあ、こんなところでゆっくりコーヒーを飲みながら読書を… かすかな違和感を覚える。なんだ? ああ、奥の壁は全て鏡なんだ、部屋は鏡に映って倍の大きさに感じられるってしかけなんだ。部屋はそんなに広くない。鏡に映った部屋の奥には窓があり、窓には… あれはなに? 白い腹、四方に伸びた手足の先の指の先は膨れて吸盤のよう。顔は、トカゲのような、目がこちらを見ている。あれは。あれは、ヤモリ男、最近世間を騒がせている都市伝説の怪物? 満月の夜、ビルの谷間に閑静な住宅地に貼りついているのを目撃される、らしい。 ああ、あれは、 …あれは俺だ。俺が、こちらを覗いているんだ。 リディア・デイヴィス「ほとんど記憶のない女」を読んで。20120722-2

 別れて、お願い。彼女が言う、泣きながら。同じ未来を見つめ、結婚を約束した仲だったのに。どうして? なぜだ? なぜなんだ! お前変だぞ、そう… この前俺の家に来た時から。 …そうよ、あの時から。あの日、あなたのお母様と会った日から… 夢に出るのだと言う。俺の母親が毎日、ニコニコと微笑んで、でも毎日… 20121027

うそつき

 夜、残業で遅くなっての帰り道、昼間の暑さを蓄えたコンクリートが放熱し、夜も蒸し暑い。こんな夏の夜は、思い出す。あいつが死んだ夜を。
「大丈夫だよ、治んない病気なんてない!」
 あるよ。人は病み、死ぬよ。あいつは痩せて、見る影もなくて、でも、諦めてなくて生きる生き残る事を考え考え抜いて。けど、私が言えるのは嘘だけ。そして、私はウソツキになっちゃった… 
「うそつき」
 聞きたい。こんな夜、家に向かう私の背後からあいつの声が聞けたら。あいつの怒りが悲しみが、まだ生きたい、高校生でなんか死ぬのは嫌だ。まだ、何も成していない。そんな思いが、呪詛、怨念の声でも。でも、そんな事はない。死んで15年、あいつの声は聞こえやしないし、姿も見えない。あいつはいなくなった。存在しなくなった。何一つ残っちゃあいない。
「うそつき」
 最後の夜、病院を抜け出して花火を見に行った。私がペダルを踏む自転車の後ろに乗って、私のいつもの嘘を聞いて、聞いて泣いてた。きっと、もう、知ってたんだ。自分のいない世界を見ていたんだ。
「うそつき」
 治ったら、結婚しよう、あいつは言った。けど、私も、信じていなかったあいつの言葉。だけど私はうなずいた。けっこうハンサムで、2月のあの日にはたくさんのチョコレートを自慢してた、あいつ。最後、あいつの病室を訪ねるクラスメートはいなかったけど、治っていたら私を選ぶはずはない、だってあいつ、メンクイだったから。
「うそつき」
 ああ… お互い様だね。20120821

あるファイルボックスでいっぱいの倉庫

 最近社長の方針で社内情報の総合管理を目指して… なんて言うとクラウド? ちゃうちゃう、そんなんとちゃう。小企業の社長が購入したのはおりたたみのファイルボックス、A4の書類がぴったり入って、使わん時にはおりたたんでおける。けど、1,000個も買うなよ~! ハッキリ言って使ったのは65個、後は倉庫でおりたたまれたまんま。ただでさえモノを捨てない会社なのに、倉庫はもうキツキツなのに。どうすんだよ、932個のファイルボックス。数が合わない? 社長が家に持って帰ったの。どうせならもっと、500個くらい… 言ってはいけないセリフだったでしょうか? で、残業してると倉庫からギシギシと音がする、そんな事言いだす社員がいてね、たいしたもん入ってはいないにしても盗まれたモンがあれば一大事、在庫のチェックをしたのよ、そしたら… ファイルボックスは1,526個、増えてんでやんの! 増えた分がみんなA5のファイルボックス、何なんだよ、まさか、あいつら、あいつらぁ? 文房具を? いや、でもしかし… やってんの? あ! 売れないか? どこでも増える文房具、商売の行き詰まりは目に見えている。って事はどっかのバカが去勢しないファイルボックスを出荷したんだな。いい迷惑だ! 何言ってんだ俺、疲れてる? 家に帰って、夜食にラーメン作ろうと台所の流し台下の扉を開けた、愛用の鍋とフライパンのほかに見た事ないミルクパンが在る、2つも。20130425

センサ、もしくはあんた誰?

 人感センサーって、人間の存在を検知するためのセンサーなのよ。使ってんのは赤外線、超音波、可視光なんからしいけど、詳しい事は解んない。で、これらの組み合わせで、より精度を上げた業務用のモノもあるのね。そんで、こーゆー機械は人を感知すると照明を点けたり何かのスイッチを入れて警告を発したりといろんな働きをすんだって。だぁーかぁーらぁー、私あれ嫌い! だって私を感知しないのよ。今まで、一度だって… 20130501-3

伝説

 母親が死んだ。1200CCのバイクで事故った。ツーリング中、山道で対向車線をはみ出した車と接触、谷側に跳ね飛ばされ即死だって言うけど見たわけじゃないだろう検視官。いや、別に検視した人間に突っかかってどうする、俺。事実だとしても苦しみぬいて死にました、と言って欲しいわけじゃない。言って欲しくないよ。親父は呆然としちゃって葬式やその後の事は全部じいちゃんばあちゃん任せ。まあ、仕方ないか。対向車線の女、結構な年らしいけど、なんかもう惨めで哀れでヨレヨレクタクタで見てるだけで不快になるタイプの人間だった。そうじゃなかったとしても母親を殺した人間に好感は持てない。当たり前の感情だと思うぞ、これは。だから彼女についてのその後は俺は知りたくないから知らない。刑務所に入ってそこそこの時を経て出てくるんだろうが、もう関わり合いになりたくないってのが正直なところ。命をもって償え? 殺したいとは思わない。死んでくれればさっぱりするかもしれないけど、正直もう考えたくないんだ、そいつの事。存在を忘れたいんだ。頼むよ、忘れさせて。だからその事はおしまい。肝心な事は半年経った昨日、偶然Webで見た事。母親が死んだ場所に幽霊が出るという噂、都市伝説? 今風に言うと。親父はねえ、息子としては恥ずかしいけど母親を愛してたんだね、会いに行くんだよ、そこに。幽霊でも会いたいんだ、なんて聞いた時に俺が顔をそむけちゃったのは、泣きそうになった顔見られたくなかったから。ホントのトコ、母親は幸せだったんだろうなあ、なんてね。だから毎週末の夜に車を走らせ、そう、親父は車で母親はバイクが趣味だったの、変わった親だろ。母親が死んだ山道に毎週通っても俺は何も言わなかった。会えた? なんて事もね。帰ってきた親父は寂しそうで、会えるわけがないと思いつつも会えればいいなとも思って、でもなあ、Webのヨタ話、都市伝説がもとだもんなあ。母親が死んだ場所に行くそれだけで満足してたとしてもそれでいいじゃん。親父も結構それで満足していたのかもしれない、それで我慢してたのかもしれない。でもそれも終わった。その山道で事故があった。死人は出なかったけど、だからこそ怪我人が語った、同乗者も見た、なんて話がまた噂に、都市伝説になったのさ。ブッチャケて言えば、俺の母親は死んで悪霊になった、ってわけだ。Webに書き込む野郎どもは。あ、女性もいたらごめんね。女郎? 雌豚? 好きなように受け取って。ゲスなバカ野郎さん。まあそんなこんなで、親父の週末の楽しみも無くなっちまった。ゲスなバカ野郎さん達がドヤドヤ押し掛けて悪霊になった俺の母親を見たがったのさ。写真に撮りたがったのさ。普通の一般人が経験できない経験をしたがったのさ。なら死ね。生きてる人間が経験したことが無い経験だぞ。死ね、死ね。 …あ~、ちょっとコーフンしてしまいました。ごめん。感情を制御できないならそれはあの人達と同じなのにね。ああ、ナサケナイ。で、その後そんな騒動も下火になって、でもしっかり母親は悪霊で定着してしまって、最近では首無しライダーとして名を馳せてるよ、クソッタレ。だから。そう、だから、遊園地の幽霊屋敷なんてとこでも誘われれば俺は行くよ。あはははと笑って入るよ。けど、心霊スポットには行かない。俺の知らないどっかの兄ちゃんや姉ちゃん、または父ちゃんか母ちゃん、まあ悪人だっていたかもしれないけど、善人だっていただろう、子供なら悪ガキだったかもしんないけど生きてる人間より悪いって事は無いはずだろう? この世に生れて、育って恋して嫉妬して生きて嬉しい事も悲しい事もあってけど死んでそんな人達、いや、元人達を生きてる人間の世界に害なす者として怖がる? 悪しき者、いや物に作り替えてしまう? いやいや、暇潰しのネタにする? そんな事してると地獄に落ちるぞ! いや、俺がこの手で落として… ああ、そう、冗談だよ。ちょっと不快なだけ。 …いや、正直とっても、ね。20121207-2

プロフィール

Author:KU2
 改行が嫌いです。嘘とイイカゲンが好きです。…改めまして、FC2ブログへようこそ!

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