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エウレカ!

「わかった! そうだったんだぁ!」後ろで声がする。JR新橋駅烏森口高架の下でふり返るとサラリーマン風の男がガッテンポーズをしていた。右手の拳で右手のひらをポンとたたく、そんなの知らない? 知らなくていいよ、本筋と関係ないもん。とにかくそいつは喜びの表情で独白? モノローグ? を続けた。「光の速度が真空中で 299,792,458m/sでもこれが… 」男はブツブツとつぶやきながら手持ちの週刊誌の余白に計算式? を書き込んでいたがすぐに空白は無くなる。俺が持っているチョークを渡すと、そうだよ、ウチの塾じゃあまだ黒板なんだよ。しゃがみこんで床板、リノリュウム板にわけのわからない数式を書きだした。で、「わかった!」ヒトコト叫んで後はやっぱりわけのわからない呪文の様な言葉を続けた。男は内側から? 輝きだし、やがて金色の光に包まれ… 消えた。そーだよ、俺のチョーク持ったまま消えちまった、俺の目の前で! 俺が気が狂ってるって? 目撃したのは俺だけじゃねぇ、多数の人が目撃者、俺だけじゃねぇんだ! そう、そんな中で、女が「わたしも!」叫んだ。彼女も手持ちの紙と鉛筆で何か計算してたが、行き詰まったとこで俺がチョークを渡した。「ありがと、でも、E=MCの2乗って…」女は言ってイッキに続きの数式を仕上げると、男と同じ様に金色に光り出し… 消えた。俺のチョーク持ったまま。あ、あいつらぁ。でも、ここまで来ると俺にもヒラメクものが在ったのさ、エウレカ! てなもんだよ。俺もしゃがみこんで手持ちのチョークで数式を書きそうになった! 世界がわかった! ああ! そーゆーことかぁ! 案外シンプル! しがない進学塾の講師が世界を掴んだ一瞬! 思い出した。明日ボーナスが出る事を。内側から湧きあがる金色の光は消えた、わかったと思った世界はまた不可解なまま。でもわが妻と回らないお寿司を食べる約束を思い出して私は幸せいっぱい。雲丹とイクラはどちらか、だよね。仕方ない。でも、結婚記念の三年め! 宇宙の真理なんざクソ喰らえさ! 家路を急ぐ俺の後ろで、また「わかった!」どっかのジジイの声が聞こえるが、俺はチョークを貸さないよ。 …あいつら、返さないもん。20131127-2
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 これは実際にあった怖い話です。なんて書きだしでも背ラベルが913.6日本の近代小説の棚にあるならば、じゃあ作り話なんだ、って安心してしまう臆病者。それは私です。図書館をよく使うのでNDC、日本十進分類法はそこそこわかる。147心霊現象なら、あ、ホントにあった事? ちょっとコワイな。なんて考えこんでしまう。怖けりゃ読むなよ。 …でもね、むかし「ミニゴマアザラシの飼い方」みたいな本があってね、本屋さんで立ち読みしたの。ああ、面白い! こんなのホントにいたら飼いたいよね、なんて思ってたら、巻末に“ミニゴマアザラシは実在の生物ではありません”って書いてあった。そりゃそうだろうけどさあ、「ホントにいたらいいな」なんて考えたけどさ、 …なんかキョウザメ。あの、いたら飼いたいなって感じに「バカ! 信じるなよ!」と言われたみたい。 ってかシラケた。嘘も誠もイッショクタにして楽しむ、だまされることを楽しむ、そーゆー太っ腹な世界がいいんだよなあ。そのうち、絵本「ももたろう」にだって、これはフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係ありません。またこの作品で述べられている主義主張はエンタティメントとして制作されたものでありわが社の立場、主義主張、意見を代表するものではありません。また、この図書を利用した事により、直接または間接的に損害や債務が生じた場合でもわが社は一切の責任を負わないものとします。なんて、え? もう書いてある? 20121210-2

Q 問うモノ

 今からちょっと先の未来のどこかの国。とあるビルで反政府勢力が人質を取り籠城。収監されている同志の解放を要求した。状況は最悪。膠着状態となり、包囲する警官、人質、反政府勢力各1名の死者を出し、1日が過ぎた。2日目の朝、ビルの周囲は不思議な光に包まれた。その光によりビルの周囲、不思議な光の範囲内は人の出入りは不可能となったが、音声をはじめ全てのコミュニケーションは可能だった。そして、あの声が聞こえた。「きみたちをみていた。きみたちはきょうみぶかい。きみたちの意思決定は多数意見の採択により機能しているが、多数成らざる者達にも対話への道はのこされているのだね。ソレはすばらしいこと。」声は全ての人に聞こえた。「きょうみぶかいきみたち。上をみてごらん」空を振り仰いだ人の全てが見た。天空に浮かぶ玉虫色の巨大な球体。球体は続ける。「君たちの多数決にしたがい、この人々、の生死を全国民投票により決しなさい。」 この人々とは? 誰かが問うのもわかった。「きみたちのいう、犯人、人質、警官、だ」犯人だけならともかく… 多くの人々のざわめきと疑問の波も感じられたが、「それはきみたちの理論、わたしのそれじゃない。投票への拒否は認めない。拒否する者には…」みんな認識した。その国で一番高い山の山頂が無くなるのを、吹き飛ばされ高温で溶け流れる岩盤を国民すべてが意識した。そして投票はなされ、不参加を表明した者は… 死んだ、という表記が一番さしさわりが無い、現状を目撃した者は二度とアレに逆らいはしないだろう、というのが現実。そして結果は出た。「ファアハハハ、おもしろい。きみたちは、まさにきょうみぶかいそんざい…」投票の結果は公表されなかった。しかし国民のさんぶんのいち1/3、が消失した。こちらも、消失現場を目撃した者は… 察して欲しい、記述したくない。「フャアハハハハハハ、衆愚政治の元を断ってやったぞ、さあ、みんしゅしゅぎのちからをみせてみろ!フュウフェハハファファ! しゅじゅちゅだ! しゅじゅちゅだ! しじゅつだぁ! ファハハハ」球体は消えた。この国の人々は、この災厄から立ち直れるのだろうか? 災厄? これは災厄なのか? 20131120-3

Q 継ぐモノ

 今からちょっと先の未来のどこかの国。長寿遺伝子の発見により、人類は理論上150歳まで生きる事が出来ると証明された。あくまで理論上。しかし3年後、新たに発見された植物“ネクタル”を人体に寄生させることにより、長寿遺伝子の完全発動及び寄生植物の宿主保護能力により、人類は150歳まで生存可能、いや、活動可能となった。まだ、あくまで理論上。だがそれは、最初の被験者が地球上に存在するようになってまだ14年しか経過していないから。今のところは順調。予想外だったのは、被験者に“ネクタル”の移植を行うと、知能指数をはじめとする知的活動能力が飛躍的に向上した事。これは嬉しい誤算。彼等ネクターと呼ばれる移植者は、この長寿計画研究推進の中枢を担うようになっていた。もちろん、それにとどまらない。ネクターは、他の分野、政治・経済面でも活動が目覚ましく、しかしある時、それが問題になった。彼等は密かに独自の言語を創り、情報交換をし、全人類のネクター化を進めている事が発覚した。だが、ここが問題だ。ネクターは支配者として君臨する意図は無く、全ての人類がネクターとなることを望んでいるのだ。支配が目的じゃない、全人類の幸福だ。そこで、我々旧人類、ネクター以外はどうすべきか? ネクターも人類と認識し、同化すべきか? ネクターはネクタルに意識を強奪された異種族と認識し彼等を拒否しネクターとは異質の、しかし劣等生物として生きるか? そして、もしネクターとして生きる道を選んだら、旧人類としての“私”の意識はネクターとしての私の中に残るのか? あるネクターに訊ねた。彼は答えてくれた。昔、同じ様な事があった。異質な物を取り入れ生物は劇的に進化した… それは、ミトコンドリア? 私は疑問を口にした。 …いや、オスだ。オスという生物を生殖システムに導入する事により繁殖力は強化され、後はわかるだろ? 今に至る。この場合、今の人類の意識に昔のメスの意識がどれだけ残っているか? いないのか? それは問題か? だから君の第2の疑問の答はこの質問で返される。 …だから、“私”って誰? 20131119-4

注意

 すいませんがと声をかける。ここは図書館ロビーで、相手は先ほどからカードゲームをやっている2人組。ターンがどうしたライフがこうした大きな声で騒ぎ、他の利用者も迷惑そうな視線を送るが一向に止める気配はない。そこで、職員である私が、公共施設でカードゲームしないでくださいと注意した。そうしたら、「はあ? どこに書いてあんの? そんなら書いとけよ」 あああ、小学校の職員室には「ノックをしてからはいること」と張り紙があるかもしれないが、高校の職員室には無いでしょう? もし高校にあったとしても、会社の社長室には無いよね? ルールが公示されてなくとも、疑問に思ったら管理者に確認すべきで、書いてないからやっていいとは限らないんですよ。そうは直接言わないが、そんな内容をヤンワリと、とてもヤンワリと説明したつもりだった。 …しかし、ちょっとした行き違いから「公共施設のロビーでウンコしないでね、書いてなかったらするんですか!」声を荒げてしまったが… 「スミマセンデシタ!」あやまったのはこちら。言ったとたんズボンのベルトを外しだしやがったんだ、こいつら。ヤルつもりなんだ… マッタク! 手が付けられない、近頃のジーサン達ときたら! 20131108-4

創神

 昔々、人は力を付けて、どんどん付けて、いろいろな事を知り、いろいろなモノを作り、増えていった。やがて「神は死んだ!」とまで言い放った。神がそんなに必要じゃなくなったんだ。でも、やっぱダメでした。人は神を必要とした。自分で考えるほど強くなかったんだね、だから、殺してしまった神を作り直すのだ。新しく神を創るのだ。出来れば都合のいい神を。昔々、神は天地創造の偉業をたたえて欲しくて人間を創った。いま人も自分の行為を認めて欲しくて、肯定して欲しくて、ほめて欲しくて神が欲しいのだ。「よしよし、よくやったね。君達は正しいよ」そう言って欲しいのだ。でも、神は言ってくれるだろうか… もしかして、こんな事は無いよね。目覚めた神がおもむろに立ち上がり四方を見渡し、ため息をつく。 …そして「闇よ在れ」こうして闇が在った。神は良しとされた… 20131117-2

夜歩く

 夜、街を歩く。死なないためだ。季節が移ろい、耐寒装備なしにそこいらで寝ていたらたちまち身体を壊す。死ぬならまだいい、運悪く死ななかったら… そこから地獄が始まるんだ。食糧の調達だって大変だ。昔コンビニの期限切れ廃棄食品は狙い目だったが、今じゃ狸や犬の野生動物対策と称して毒を混入して廃棄する事が義務付けられている。冗談じゃねえ、ノラ犬やタヌキなんざとっくの昔に食っちまったさ、俺達が。輸入食品の18%は今だ食されずに捨てられる。オマケに毒を混ぜ込まれて破棄されてんだ。そーいやカラスもいないな、この街には。ノラ猫も。ああ、奴らも美味かったっけ? さて、食い物を探してビシャビシャと水をハネ散らかしながら歩く。最近は都市衛生保持機構なんて組織が深夜に道路や公共施設付近広場、公園、つまり俺達が寝そうな所たむろしそうな場所に散水システムを装備し水を撒くのだ。あの世界的なお祭りの為、日本をキレイに、と言ってるけど汚点である俺達を早急に処理したい、そんな魂胆はマルミエ。障害者に優しくなんてタテマエでベンチに手すりが付いた頃から、オカミがやる事は解っていた。解っていたさ。 …お! 小走りで道を急ぐ女性、20代か? 独り、恐怖と後悔と困惑と、…怒りそんな臭いをまき散らしながら、小走りに走る。若さが成せる判断ミス。時間はまだ早いと判断したか? 私は大丈夫、なんて根拠のない自信に誘われて? でも… 久々のゴチソウ発見。ごめんね、あなたの判断は罪ではないけど、何も悪くは無いけど、でも、こんな深夜に三日間食って無い俺、食人鬼に出会ってしまった。そうだね、…運が、悪かった。20131118

キイ

 朝、目を覚ます。半覚醒の状態で窓を開ける。いつもの事。そしてこれもいつもの事なんだが、キイキイと錆びたボルトをゆっくりと回すような音、古いシャッターがゆっくりと閉まっていくような音、キイ、キイ、キイ… かすかに、朝の静けさの中を、キイ、キイ、キイ… どこからか、小さく、時々とぎれながらも、キイ、…キィ   キィ キイ。起きつつある意識が、何の音だろうと考える。どこかの店がシャッターを… キイ、 …キイ キイ。違う。休日に起きる時間が遅くとも同じ音がする。キイ、キイ、 キイ。仕事の関係で2時間早く起きた時も、 …キィ、キイ。音がしていた。遠くでしている様な、案外近い様な。キイ、キ イ。一日中しているのか? 静かな朝だけ、聞こえるのか? キイ。もう何年も、少なくとも十何年は聞いている、気がしてきた、キィ、 …キイ …キィ。眼を覚ます。まだ外は暗い。キ、キイ、 …キィ、キイ。窓はまだ開けていない。まだベッドの中だ。キ   ィ、 …キイ、  キィ。窓は開けていないけど、同じかすかな音、キイキ ィ、キイ。眼を閉じ、しっかりと、もういちど、こころをおちつけて、聞く。キ イ、  キ ィ、キイ、 …キイ。 …キィ、キ。イ。 …なんだ、あはは、これ俺の、心臓の音、だ。20131106

番犬

 犬が吠えている。さっきからずっとだ。あれは… うん、ちょっと危機感あふれる“警告”モード、かな? 番犬さんも御苦労さん。 …まだ犬が吠えている。いい加減うるさい、こっちはいい気分で寝ようとしているのに。ガラリと窓が開く音が聞こえる。「ジョン! どうしたの? 静かにして!」飼い主さんも御苦労さん、そうだよ、近所迷惑だ、犬のしつけは飼い主の責任。 ク~ン、悲しげに主人に訴えるジョン、人間の言葉が話せりゃねぇ。 …いまだ犬が吠えている。また窓が開く音がして飼い主の叫ぶ声! 「ジョン!! 静かに!!! お願いだから… 」怒りと懇願と、困惑と… 「こんなコトなかったのに…」う~ん、そうなんだ。不思議だね。犬のきまぐれ? カンの虫? なんて考えてるうちにも、犬が吠えている。こまったね、ここ、お隣の空き屋。入り込めればしばらく拠点にできるのに、鍵が壊せず、軒下を借りて寝てるだけなんだけど、ジョンにはそれも許せない、って訳だ。ウツワの小さいイヌだ、番犬だから当然か? ま、バカな人間には気付かれまい、明日の朝早くにサヨナラすればノープロブレム。おまえもあきらめて寝ろよ、ジョン。俺がたたき込まれた真実を教えてやる。支配者への愛は常に片想いだ。20131116-2

改革2

 イジメをロボット技術で何とかする。いいアイデアだと思ったんだけどなあ。いや、マジで。でも、実際やってみるとそんなにうまい事いかない。あ、学校用地だとか施設の問題はナシ。不動産業者と総合建設業者は儲かって笑いが止まらなかったし。スケールも10倍じゃなくて機体高4m前後のアーマードトルーパーサイズだったし。問題はそんなとこじゃなくて… 高校がOKだったんで大学、大学院そして会社も… そう、日本人はみんなロボットの中、“ヒキコモリ”になっちゃったんだよ。で、所期の目的は100%達成した。イジメは無くなった。(もちろん、政府の発表で、だけどね。)でも、出生率も婚姻率もガクンと減った。さあどうしよう、政府は子育て支援や育児休暇のボリュームアップを始めたけど、対策はピント外れでロボットの中の人達には届かなかった。だから、だから? …だから、2085年現在も子供は減り続けています。なんてね。20131115-2

改革

 イジメが問題になっている。これを日本ならではの方法で解決する。学校の大きさを今の10倍にする、敷地も施設も。机も校舎も教室も10倍。で、生徒は人間乗り込み型ロボットに乗って登校する。ガ○ダム的アレね。このロボットは日本のロボット工学の全てを掛けて開発する。ロボット外活動は禁止。ロボットに乗って授業を受けて、部活その他の学校活動全てロボットで行う。もちろん規定外の活動や負荷がかかると管理システムの中枢、学校に自動的に通報される、もちろん、警察にもね。「気が付きませんでした」なんて言う人間の先生にいじめが判断できないなら、機械に数値で判断させるのだ。それでいいのだ。機体各部のセンサーが不自然な圧力を検知した場合暴力と判断し“イジメ”シグナルが発せられるのだ。“シカト”だって一定時間他の機体と通信を行われていない場合“シカト”と判断し… おおすごいぞ! 書いててコーフンしてきた。問題は、ロボットの開発と10倍になる学校用地の確保か? あっ! しまった! 甲子園も10倍にしなきゃならないか? 高校駅伝も、すごい事になるぞ! 20120825-3

EIGHT

 ねぇ、知ってる? 変なコンピュータウィルスの話。ソレに感染しても何も起こらないの。大事なデータを消す様な事も、レスポンスタイムの数値を小さくするわけでもない。つまり、毒にも薬にもならないウィルス。 …ウィルス? でもそれじゃ、感染してるかどうかさえ判んないよね。え? せきゅりてぃそふと? うん、それのすごい奴でも見つけられないんだって、すてるす機能? なんかそんなの。でもそれが一発でOK、わかんの。ハチ、アラビア数字の“ハチ”漢数字で“八”を打つの。ソフトはテキストでもなんでもOK。で、普通は上に小さな0、下に大きな0、だよね。上下合わせて“八”でも、感染してると、これが逆。上が大きい0で、下に小さな0の“八”… ホントだってぇ! 私見たもん! 上が大きい“八”… 
 ってゆーんだけどさあ、ほんとーかね。あいつこの頃オカシーんだよ。すこし。 …いや、だいぶ? 俺は信じてないよ、ってゆーかぁ、都市伝説? そのウィルス拡散増殖して、何するの? イミないじゃん。毒にも薬にもなんないんだろ? …は? 広がって広がって広がりきった時に同時変質して? コワイな~ これも? このPCも? 感染してるかもしんない? おおし! そこまでゆーんなら、“八”だっけ? …ほれ、ポチッとな… あ、ああああああああああああ!  20130926-3

不老不死

 ちょっと前、子供向けの本で「時をさまようタック」って本を読んだ。森の奥に隠された泉の水を飲むと不老不死になってしまうのだ。不老不死者の苦悩を描く事で、生きる事の意味を問う、そんな小説。感動したんだけど、いい本なんだけど。 …だけど私は「おお、永遠の命、いいな!」なんて思った。で、思考が暴走。この永遠の生命が得られる水を飲む時、その水に毒が入ってたら… おお、ゾンビとして永遠に生きるのか? 永遠に苦しんで永遠に死に続けるのか、あ~、どっちにしてもろくな結果じゃあないよな、なんて考えたんで、いい話もパァ。この話をしたら、職場の同僚の人にもヒカれてしまいました… マッタク! ムカシのSF者にはコマルよね~ そんな感じ。す、すみませんでしたぁ。20120516-2

家族

 好きな娘が出来た。5年かかったけど、結婚した。奥さんとの2人の時間はパラダイス。でも、でも、でも。時の流れは残酷? 僕に新しい好きな娘が出来た。奥さんよりも? そうかもしんない。可愛い、かわいい、かわいいっ! ああ、3人の時間もパラダイス。しかし、しかし、しかし。時の流れは残酷! ある日可愛い、かわいい、かわいい娘が… 連れて来たのだ! どこの馬の骨とも知らぬ奴を! 小汚いアイツを! でも… 見ればわかる。私の可愛い、かわいい、かわいい娘は… そいつにメロメロだ。クソッタレ! やけ酒をとことんまで付き合わせて… そんな気分だったが、奴はわが娘の出すミルクを飲むだけ。…下戸かいっ! 理不尽な怒りは最高潮に達する。しかし… 半年後、奴は我家の一員。私も認めざるを得ない。記念の写真を撮った、私達3人にと一緒に写る奴、ああ、尻尾をケンメイに振る雑種の奴もそれなりにカワイイけれども、どうせならゴールデンレトリバーが良かった… 20131107

残業

 クソッタレガー! 今日も残業さ! しかも俺が最後の一人! 少子化がアアダコウダ言ってる偉い人達。俺が夜遊びできなくて子供がデキるんかぁ! …あ、いや、もちろん夜遊びと出世率はカンケー無いかもしれないけど、あったらマズいけど… 察してくれよぉ。今月、給料日前なのにもう68時間だよお、仕事終わったら帰って寝るだけ、そんなんで彼女作って結婚して子供こさえて… 無理だわ、俺にゃできましぇ~ん! デスクで缶コーヒー飲みながらボヤく。あああ、しかし残業にナレちゃヤバいよな、サッサと片付けて帰ろカエ… …なんだ? 泣き声? …押し殺して泣くような、忍んで涙するような? いや、ネコが鳴くような? 今始まったんじゃない、俺が気付く前からずっと… そんな声にならない様な声。どっから? 椅子から立ち上がり、暗い通路へ出る。泣き声はいくらか大きくなり、エレベーターホールの真ん中、薄暗い照明に浮かび上がる身長2メートルを超える泥だらけの長髪で赤いドレスの一つ目の女… なんていない。ただ、そこにさっきまで飲んでた缶コーヒーを買った自販機があって、その自販機から、その自販機の中から、うゥゥゥぅフゥおぅうぅぉ… やめた、文才ない俺には書き表せないような泣き声が… するの。…あ、業者に電話しなくちゃ、自販機の中に誰か人が… 頭の中で文章になって気付いた、バカか! そんな事あるハズが無い! 夜の9時半。新基準の免震機構が設置された最新オフィスビルの13階。自販機の前で女の様な赤ん坊の様な猫の様な鳴き声を聞いている俺って… ホントか? ヤバイ? もう俺ヤバイ? やめとけと言う自分もいるけど、アラガえない。膝を折り、自販機の冷たい金属の外装に額を付けて声を聞く、聞き続ける。 …それはもう、自販機の中から聞こえるのか? それとも俺の頭の中から? アハハハハハハハハハ アハハ ハ もうわかんない… ああ、オカアサン 20131101-3

意固地

 眼を見開き、口を開け悲鳴が、そこから出る。君は振り返りそれを見てしまうから。でも、それでも私には君に伝える以外の選択肢はない。「今、そこにいる。君の後ろだ」 それは「いないんでしょ。幽霊なんて。いやしないんだ! どこにいるのよ? 見せて見ろってんだ!」君が言うから、君があまりにも執念深くからんでくるから。からんでくるから、しつこいから、でも、私が幽霊を呼び寄せたわけじゃないよ。だって幽霊は… いや、だから正確に表現すると、君にとりついていたモノは以前から、もうかなり前から、私が君と初めて会った時から… いた。その昔は、君にも見えていた、はず。いや、見えていなくとも、感じていたはず。だってその2人は… だからこそ君は君を… でも見たくないという意思が、意思の力が恐怖の対象を消した。見えなくした。人間の意思の力は偉大だね。でも、それを忘れて、見えないモノを見たいと心底思ってしまった今… こうして暴かれる真実。君が君に隠していた真実。だってその2人は君の両親。君が封じ込めていた過去。君が中学生の時犯したあやまち。ここは、その事件が起こった時、君の家だった廃屋の中。事件の起きたその時間。半年後には君も、君を保護していた人達の目を盗みここへ来て… お願いだ、お願いだよ、お願いだから、上に行って。君が苦しめた人も、君を苦しめた事も、全ては遠い昔の事。上に、光の射す方向に、彼方に、上がって行って。ここはもう、君のいるべきところじゃない。もうここは… 君の… ああ、そうだ。全てを理解した君の最後の声が聞こえる。「ゆうぅぅれえぇぇえなあぁぁんてぇえぇ、しぃいぃぃんじぃぃなあぁあぃぃい!」 …強情な奴 20131029-2

視認

 仕事から帰って、鍵を開けて玄関を入って、リビングの入り口のドアの前。もう5分ほど立ちつくしている。中で、リビングで人が歩きまわる音、いや微かだから気配? 独り暮らしだから家族はいない。でも誰かの気配が… なぜサッサと警察に通報しないの? それ泥棒じゃない? そう… 前2回ではそうした。今日でこの現象は3回目だから。その1回では、やって来た警官に「また異常を感じたら遠慮なく通報してください」と言ってもらえたが、2回目は「異常はありません」だけだった。いい歳した社会人がクフフフフ… ジイシキカジョウでやんの。クフフ ってなことを言っていたに違いない、きっとそうだそうに違いない。くそったれ! バカニスンナ! で、3回目。相変わらず、微かに床がしなう音が、気配がする。リビングをぐるぐると歩き回っているナニカが。警察に… いや、これはそーゆー話ではないのかもしれない。ないにちがいない。前2回もそうだった、リビングのドアを開けるとナニもいないし気配も無くなる。けど、ナニかが居るのは間違いない。どうすれば… そこで、また玄関から出て鍵をかけ外に出る。リビングに面する庭に周り、そーっと掃き出し窓から家の中を覗き込む。レースのカーテン越しに見える、リビングを歩き回っているのは… ああああああああああ! 「そこで何をしている」振り向くと警官が二人。「通報があってね。不審人物が庭に入り込んで―」あうあうあう、リビングで歩き回っていたモノを見た、信じられないモノを見て、この世のモノならぬモノを見て、よれよれのジャンバーのポケットからナイフを出し振り回しアバレル。警官に取り押さえられるまで5分もかからない。抵抗は虚しくパトカーに押し込められる私は俺は… 後ろで「ほんとうにどうもありがとうございました。これで安心して…」わたしの私の声がする。20130331-2

彼女と踊る 足音2

 別れなかったんだよ。リアルじゃねーよな。腐れ縁? かもしんない。最初はあんたが妖怪を呼んだだの、ありゃあお前の嫉妬深い親父じゃないのか? 俺は死ぬトコだったんだぞ! 私だって! なんてケンカしたのさ。オマケに彼女は俺が最初思ってたようなオシトヤカナ女性じゃなかった。コーヒーの趣味はホンモノだったけど、実はガサツで頑固でズボラな女性だった。職場じゃあネコかぶってたんだ。ニャア! で、幻滅したかって?  トーゼンしたよ。 …けど、けどね。一緒にいてこれほどラクな女性はいなかった! で、本気で惚れちゃったの、俺!! そんで週に3回は彼女の部屋から出勤。この世の春とはこの事かァ! はははのは! けど、なんであの時に、アレをイタそうとする時に怪奇現象が出現するかは不明。そう、ドンドンさんが最初で最後では無かったの。天井に現れる無数の眼だとか、マイムマイムを踊る小人さんだとか。無害そうに聞こえるだろ? 小人さん。カーペットの上でキャンプファイアするんだぞ! 小人さんは最悪。 …ならイタさなけりゃいい? 25歳の俺が? 今しないでいつヤルの? だから対策を講じたのだ。そう! あの、昔懐かし「妖怪図鑑」再購入! 絶版だったらどうしようかと心配したけど、子供の本ってイキ長いのね。あ、待てまてまて… という事は、売れてるって事は、需要があるという事は、ひょっとして、俺たちみたいなカップルって、多いのか? そーなのか? …ま、他人の事はどーでもいーけどね。20131015-4

プロフィール

Author:KU2
 改行が嫌いです。嘘とイイカゲンが好きです。…改めまして、FC2ブログへようこそ!

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