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退院

「わかっいたよ、わかつたよ、解ったよ… 解ったって言ってるだろーが! バカヤロー!」こっちこそわかった、ちゃんと聞いているよ、ごめん。話は通じているよ。となだめて、肩をたたき落ち着かせる。話はちゃんと聞いている。前にも言ったと思うけど、私はメモを、必要なら取って残すが、録音や録画、機械的な記録はしてないから。ダイジョウブ、大丈夫、なにも恐れる事は無い。「悪かった… ちょっと、少しばかり興奮して、しまった。」友達はあやまり、椅子に座る。私も自分の椅子に座り、ノートを定位置に置きクレパスを、友達との面談時に筆記具として唯一認められているクレパスを持ち直す。それで、友達に話をうながす。それで? 「だから、ここは病院なんだ。病んだ人間が収容されているところなんだ。」なるほど、で、なんでそう思ったんだい? 「わたしたちの行動が矛盾しているからだ。やせたいのに消費カロリー以上摂取する。長寿を望むのに喫煙する。平和を望むのに… 争う。」そうだね、そのとおりだ。 …我々は、矛盾している。「でも!」友達は、自分の興奮を自覚し、冷静を装おう。私はそれを見逃さないが、自覚は決して悪い反応では無い。「でも、しかし。過去の事象を真に自覚し、真に考えを改めるなラバ… この世界からの解放、いわば退院が許される。そうだ、たいいん、退院」友達はそうつぶやき己の手のひらを凝視する。「退院」そうだね、ココは病院で… 「退院!」とても大きな声が響き、友達は… いなくなった。ここは、この部屋は入退室がきびしく管理されている。“いなくなる”事はあり得ない、不可能。 …でも、友達は消えた。消えたんだ! 消えちまったんだぁ!
「…わかった、消えたんだね。友達は目の前で」いやそうじゃない、友達を見、記録のためにノートに目を移し、再び友達のいるべきところを見たら… いなかった。消えたところを見たワケじゃない。私は… 目の前でクレヨンでノートにナニカを書き付ける男を見つめ、すると頭の中で何かがカチリとはまり込む音がして、全てがワカッタ、わかった。解ったそして退院の手続きが作動する。ここはこの世界は宇宙はびょういんなんだ…20131130-2
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 ほら… あれ… なんだ、あの縮尺1/64の鉄道模型、「エススケール?」違う! ほら、ほらほら「エスゲージ?」そう! それ… だけど違うな、あ! あのすっげー高いワイン、「ビンテージ?」ああちがう、ほら、結婚の約束? 「婚約?」ちがう、カタカナ、カタカナ、「エンゲージ?」ああ近い、気がするけど… 「リンケージ?」なにそれ? 個別にこんぱいるされたもじゅーるを… ? ちゃうちゃうそんなんとちゃう、意味が解らないよ、そうだ! ほら、網タイツのおねぃちゃんが「女王様とお呼びっ!」って言う、あの着てるの、「ボンテージ」そうそう! それそれ! え? ホントは「ボンデージ?」知らんよ、そんな事、まあ、それは置いといて、そのねぃちゃんがなんて呼ばれてるかっていうと… そう「サディスト!」近い! 「サジェスト?」そうだ! それ! ありがと! で、その「サジェスト」だ、意味知ってる? この後俺はこの上司に思わずツッコミ入れて、ほんのちょいとヤバい事になっちまったんだけど… 俺が悪いの? 20131019-5

標本

 中学校の理科準備室にホルマリン漬けの標本がある、いや、あったんだ、俺は覚えている。正直不気味で、なんであんなものが保存されているのかワケが解らなかった。だって、卒業するまで授業で使った事は… ないよ。まあ、そんなこんなで、用があってその部屋に入らなければならない時はなるべく左を―そちらに標本を置く棚があった―見ないようにしていた。で、誰も見ないから、見ないのは俺だけじゃなくて、どうやら皆らしい、み・ん・な・だよ。で、だからこそ噂が立つ。赤ん坊の標本がまじってる、小さいがこの世のモノとは思えぬおぞましい怪物の標本が隠されてる、カエルの標本が動いた、視線を感じて振り向くと… キリが無い。アホらしいと笑う事は簡単だけど、あの当時、ケッコウ切実と言うか、シビアな問題だった。なにしろ中学生を殺すのに刃物はいらない、「ビビリ!」のひとこと、つまり「おまえは弱虫だ!」と宣言されれば学校内で生きていく事は出来ない… ああ、そんな事はどうでもいい。ただ、何になるとも知れぬ変化のマッタダナカにいる中学生と、変化を拒否され、状況を固定された標本は、存在の対極にあるモノなんだ。だから、中学生は標本を恐怖し、標本は… 中学生を憎んだのさ。こうして、ある日の放課後、標本の復讐というか攻撃が始まり、友達はバタバタと奇怪な死に方をして、やがて中学生の方だって反撃を… ハジメルだろうなぁ、ってとこで、この少しホラーじみた夢から、俺は覚めた。…教訓もオチもない。ただ… 死がけっこう身近にあった、ってだけ。20131214-3

3D

 アパートのベランダに置きっぱなしの、白い四角い細長い植木鉢? あれにね、息子が何か埋めたらしいのよ。聞いても「ひみつ、…テヘヘヘ」とか言って話さない。で、そんな事忘れた3ヶ月後。久しぶりにベランダ見て驚いたね。小さいけど木? 実がなってる。フィギュア? 食玩の? デフォルメされた日曜朝のヒーローがたわわに、ってのは大げさだけど、ヒイ、フウ、ミイ… 12~3個ほど実ってる。息子の大好きな、あのヒーローが。これは何? 息子がタネとしておもちゃを埋めて、実として生ったの? お! 待てまてまて、これほど質感もそっくりなら、500円玉… いや、コレ本物より少し小さいみたいだし、バレたら… いやいや、それより根本的な問題が… これは何なんだ? こんなもん―複製機?―売ってんの? あ… ひょっとして、ひょっとしてこれが、今一部の人に話題の… 3Dプランター? 20131218

レギオン

 未来の食糧危機に備えるために開発された人造生物。安全で良質の食肉が多量にとれる生物。それを創ったのは私だ。自然の摂理に反する、神の教えに背く行為。この計画に反対する意見には、謙虚に耳を傾けねばならないモノから、愚者の戯言まで多数あった。でも… 食糧危機が現実のものとなり、計画が成功し、事業となり、安全な食料として提供されると、異を唱える者はいなくなった。この事業は、無尽蔵にあるモノから、価値あるモノを作り出す、現代の錬金術。私の企業は、人類を支える、無くてはならないモノとなった。そのお返しがこれか! 事業が巨大になってから、現場の視察の機会は極端に減った。その少ない時間の中で私は知ってしまった、出会ってしまった。処理過程前の人造生物。それと目があった時、一瞬で理解した。あれは、私の眼だ。あの年間500万頭、わが企業で処理される人造生物、その全てに私の魂が宿っている。少なくともアレから調査した、私が眼を合わせた人造生物全てが私だった。私には解る、いや、私にしか解らない。何の罰だ? 私個人にしか解らないこの事態。私の成した事は、神をオトシメル行為だったと… 天罰? 創造の過程で、この人造生物は私の魂をコピーした? 今日も私は、人類の繁栄を約束するワタシタチの断末魔の報告を、このオフィスで聞く、頭を抱え、爪を噛んで。 …ひょっとして、神は己に似せて人を創ったのではない、人が神を模倣… だから神は… …そして、私は椅子から立ちあがり、背後の地上高520mの窓から街を、神不在の、私の街を振り返り、ゆっくりと目を覚ます。20131215+

オモヒデ

 昔小さかった時。たまには変わった事しよ、ってんで親戚一同で漁船を借り切って海に出た。沖合で船を止め、大人は釣りをして子供は、子供は… 私しかいなかったのか、よくわからない。で、憶えているのはロープをつないだ浮き輪につかまって海の上に浮かんでいる記憶。ロープで船とはつながってるけど広い海の上に浮き輪ひとつでプカプカ。楽しかったんだろうか、つまんなかったんだろうか、怖かったんだろうか。自分の感情についての記憶は一切無い。ただ、海の上でプカプカしてる思い出があるだけ… 今これがとても怖い。底の知れない海の上、ビルの10階建て? 20階建て? 海水が無ければ、とてつもない高さにプカプカ浮いている自分。それでなくとも、海にどんな生き物がいるかは知られていない、いや知られている生き物にだって怖いモノが山ほど… 聞いた事がある。アメリカ海軍の訓練で、非常事態の訓練なんだけど、一晩海の上で浮かんでるってのがあって、けっこう精神に異常をきたす兵隊さんがいるんだって… 都市伝説かも知んないけどね、 …ちょっと、イヤだ、この話。
 ああ、思い出すともっとイヤ。怖い。今でも頭に浮かぶ、イヤだ。私の思い出の中で、能天気にプカプカしてる私の足に何かが、ヒッ! シュルッとからみついてくる、そんな ぁ、あああ。あ、思い出した、シテシマッタ。だから僕、ボク、だから。今ここに、びょうういんにいいるんんだァ!!20121014-3

視線

 がっこうに いくとき、かならず おなじみちを とおります。とちゅうから つうがくはんで ともだちといっしょだけど いえをでてすぐは ひとりです。その じぶんのいえをでてすぐに いえがあります。いえがたくさんあります けど。みちの さいしょのいえのいりぐちは みないようにあるきます。だって ひとがいるから。でもそのいえのげんかんを ちゃんと ましょうめんからみると ひとはいません。ポストと ひょうさつと でんきが いっしょになった はしらがあるだけ。そんなことが なんかいも なんかいも なんかいもありました。そのいえをせなかにして じとっと こちらをみてるかんじ それが いつもいつもいつもいつもいつも するんです。いやになります。こわいです。でも ひとにいうと “みるひと”っていわれてしまいます。それはいやです。それは もっといやです。みるひとってこわい から。だから あさのとおるみちを かえました。もうへいき あの たってるひとのことは わすれるでしょう。きっと。でも… でも、こうしてオッサンになり、その時の事を、小学校の3年? だったころの事を思い出しながら散策するとある更地で、住宅が密集するこのあたりで、そこだけポツリと空き地になっているあの場所の前でゾクリとする。懐かしいと言うには少し意味合いの違う視線が、する。もちろんそっちを見ても、人も多機能門柱も在りはしないけどね。ただ気になるのは、あの時はそれほど感じられなかった、視線の持つ悪意、嫉み、憎悪が、とてもとてもとても強くなっていた、事かな? ちょっと… いや、とても不安。20131209-3

校庭

 中学生の時。私が転校したその中学校はやけに校庭が広くてトラック一周300mくらいはあったんじゃないかと思う。で、その運動場の真ん中に雨が降っている時には必ず看板が出ている。何が書いてあるかは小さくてよく解らない。私が近眼のせいかもしれないけどね。でも、雨が降っている時、登校してくると必ず校庭の真ん中にその看板はあった。雨の降っていない時に看板は無い。何なんだ? で、ある日、ある雨の日。私はその看板を見に校庭の真ん中に歩いて行った。行かなければよかった。看板には「雨の日校庭には入るな!」何なんだ、何かの罠か? だいたいこの看板を置いた奴は、たぶん先生だから奴という言い方はまずいが、まあそんな事はいい、看板を置いた奴は… 足跡がない。見に来た私の足跡は校庭にあるが、看板を置いたはずの人間の足跡は無い。足跡は私のだけ… で、私は職員室に呼び出され注意されたが、転校生という事もあり、看板の字を見に行ったんです、と悪意のない事も考慮され、―他の生徒は看板が出ているだけで意味を理解したし、あの看板は天気予報で雨が降りそうな時に出しているらしい―話は終わる。そう、グランド整備の関係で雨天時は立入禁止になるのだ、うちの中学の校庭は。なあんにも不思議な事は無い話。だよね、独り校庭の真ん中で看板を見てる私の耳元に「ばーか」って誰かがササヤイタ以外は。20130520

桜花

 オスのマウスに電気ショックを与えながらサクラの花に似た匂いをかがせる。その後、メスとつがいにして生まれてきた子供に様々な匂いをかがせると… 父親が恐怖したサクラの匂いの時だけ強くおびえた。(平成25年12月4日朝日新聞夕刊より抜粋)
 ああ、俺もそうだな、と夕食後リビングで新聞を読みながら思う。サクラの匂いを感じると身体が緊張し、同時に、恐怖が走り、全身が戦闘状態に、いやひょっとして、逃走状態に? なる。どっちかは判らない。だって、現実的な恐怖の対象が存在するわけじゃないから。いわば、花粉症の様なものだから。人は言う。「だいたい、サクラってそんなに匂うか?」どうやら、俺だけのようだ、サクラの匂いを気にする人間は。けど、この記事を知られたら、今度はマウスに親戚はいないのか? なんて言われるだろうな職場で。ああ、なんてこったい。 …しかし、むかし母が言っていた、おまえの父さんはサクラの咲く頃、サクラの樹下で殺されたと。マウスと同じって、まんざらウソでも、あれ?  …変だ。マウスは恐怖を植え付けられたが死んじゃいない。恐怖が遺伝子を書き換え、それを子孫に残すには生き延びなくてはならない。子供が出来るまでは。これでは俺がサクラの匂いで恐怖する説明にならない。「伝える必要があったから」母の声に驚き振り向く。いつからそこに? 俺、声に出してた? 50歳とは思えぬ和装の美人、母がそこにいる。「言わなかったけど…」母が話し出す。父だけでなく祖父も曾祖父もサクラの咲く頃その下で殺されているそうだ。未確認だが、高祖父―ひいひいおじいちゃんもその父も… みな人生半ばで殺されている、サクラの咲く頃その下で。「それは… もう、何かの呪い?」 母が笑いながら答える。「父さんが教えてくれた。 …うちの家系はね。 …鬼女に呪われているんだって! アハハ」祖母の紹介で父と結婚し俺を産んだ母。話は違うけど、と母が続ける。「いい人がいるんだよ。おまえももう25。結婚してもおかしくは無いよね」父の死、サクラの花の匂い、鬼女の呪い、結婚。父も祖父も曾祖父も… コロスために生かす? …母が笑う、呪いなんて、昔話よ、ムカシバナシ、ハハガワラウ。20131208-2

With you

 駅から出ると雪が降っていた。すでに帰りのバスは無く、家に向かい歩きだす。大晦日の日に仕事納めでプラス残業だよ。でも、ブラック企業とまでは言わないよ。グレイだけどな。まあ、このご時世仕事があるだけましかもしれない。よそは、もっとシンドイ、のかもしれないしね。 …ウチだってもちろん、仕事のオーダーはレベル高いし、ノルマは地獄のように… まあ、いいや。それでも終わった、とりあえず今日中、いや、今年中に帰れる。明日は明日でなんとか… ああ、いや、年越しだから3日までは休める。あ~あ、それにしても雪か、雪を喜ばなくなったのは何歳になった時だっけ。それも忘れた。この街に独りで暮らして、今年も故郷には帰れない。独りか、いや… そうでもないよな… 深くため息をつく。立ち止まり、ふり返って見る。夜道にすでに厚く積もり始めた雪。俺の残す足跡に、後をつける様にもう一組のアシアトが続いているのを確認する。女性の足跡、レディスブーツの。もちろん大晦日の夜だぜ、さっきからこの道を歩いているのは俺だけ。ああ、思い当たることが無いわけじゃ、無い。フラれもしたけど、フリもした。でも、でもでも… でも、この場面で独りじゃないって… 俺が立ち止まっていると、その足跡も動かない。もう一度ため息をつく、そして… 「いいよ、おいで」つぶやいた俺が歩きだすと後ろで雪を踏む気配。俺は少し笑っているけど、やっぱり… ちょっと怖い、かな? 20121229-3

禁止遊戯

 ぜったいだいじょうぶ! カンダくんはそういってしゃどうにとびだした。あかいくるまはきゅうブレーキをかけて、とびだしたカンダくんの5センチくらいまえでとまった。くるまのなかがしろいふくろであふれていたのは、エアバッグがうごいたからかもしれない。ここはルート0254、カンダくんは「ごめんなさーい」といってもどってきた。「おもしろいだろー、くるまはかならずとまるの。じどうていしきのうっていうんだよ」だとしてもゆうきがあるとおもう、カンダくんは。「つぎはきみだよ」カンダくんがいう。こわい、ぼくにはできない。「やらなきゃあしたから…」やるよ、やるってば! カンダくんに“てき”とおもわれて、アキバくんみたいなめにあうのはいやだ。びょういんで、ひざをかかえてしろいかべをにらんでるだけのアキバくんをおもいだした。ぼくはけっしんした。どうせなら、カンダくんよりおおきなくるまをとめて… 「バカ!」カンダくんがうしろからさけんだのがきこえた。低濃縮ウラン燃料運搬車には自動緊急停止機能は装備されない。この装置により回避できる事故より、事故を回避して起こる災害の方が社会にも自然にも影響が大きいと判断されるから。だから… だから、おおきなくるまは、ぼくをはねとばして、ぼくだったものたちをじめんにたたきつけて、かなりはしってから… とまった。20130328-2-3

幻肢痛

 幻肢痛、ファントムペイン。病気や怪我によって失われてしまった手や足が、まだあるかのように痛む症状。腕を切断したにもかかわらず、指先に痛みを感じると言った状態。わかる、理屈では解る。でも、この俺の身体に起こっているのは… この世に生を受けて三十余年、肩甲骨のあたりから延びる巨大な翼、この翼が熱した万力で挟みつぶされる様な痛みを感じる時がある。ああ、たまぁ~にだけどね。もちろん俺に翼なんて生えてない。当り前だ、俺は人間だ、と信じてる。でも、ひょっとして… この幻肢痛は前世からの…  その方面で有名な先生に見てもらう。いかがでしょう、私… もしかして、天使? はは。 …う~ん、険しい顔して唸って、しばらくの沈黙の後、話し出した。翼は見えます、確かに。でもそれは… 真っ黒な、プテラノドンの様な、巨大なコウモリの様な、そんな翼です。 …はは、はハハハハ、は。そうだ、そりゃそうだよ、むかしっからの、ガキん時からの記憶と俺の性格を考えりゃあ、俺の前世は… ファハハハハハハハハハハハハハアハハ、そりゃそうだ! ハハ先生! 世話んなったな! 見料は… そうだな、ツケにしといてくれや。20131204-2

固着

 だって言うじゃないですか。夢は必ず叶う。努力は報われる。やってやれない事は無い。あきらめない! だからぁ… だから、僕は、サチコとの幸せな生活を夢見て、どんな障害も乗り越える覚悟で、できる事は全て、思い付く限りの事をして… ホントだって! 愛のメールは1日900通、彼女の自宅の合鍵も入手したし、常にサチコのそばにいる努力を… その為には仕事も辞めて! 邪魔する奴らは、それなりの方法で… まぁ、ちょっと暴力的だったかもしれないけど、愛の為には許されるよね? え? それって、ストーキング? 違法行為? 犯罪! そーなの! だって、テレビでやってるじゃん! 愛は何より大切、あきらめてはダメ! 夢は必ずかなう! ガッコのセンセーが言ってたんだぞ! テレビでもエラソーな人が言ってたぞ! 努力は… 違うの? やっちゃいけない努力もあるの? あきらめることも大事なの? ヒキギワがカンジン? なにそれ? …俺、だまされた、の? いやいやいやいや、違うよね? 夢は必ずかなうよね? カナウよねえ! カァナァウよねぇぇぇ!! 20131123-2

ヒ・ミ・ツ

 キシネの国で… そう、キシネの国で秘密保護法が可決された。多くのキシネ達がこの法案に反対したが、権力の座に居座る少数のキシネ達が強行採決を行い… アレ? キシネの国は民主主義で、その基本は多数決、シッポの多いほうが勝つんだけど… なんだけど、少数キシネの強行採決? アレレ? …ま、それはおいといて、可決されました。されたんだから、しかたないじゃん! その秘密保護法とは、…なにしろ秘密なので、外部に漏らす事はできません。どんな法律なのかは、権力の座に居座る一部のキシネにしか、いやそのキシネにさえ解らないのでした。なにせ秘密ですから。そして、ある日、あなたの家のインターホンに「警察です」訪問者の声が響きます。あなたは逮捕され、取り調べが、告訴が、裁判が進みます。でもその裁判にでてくる書類、裁判文書は真っ黒、全て黒いインクで塗りつぶされています。あああああ…
 なんてふざけた「妄想」を書いてたんだ、書いてたの。そしたらその日の夜、テレビで、情報公開請求の結果ででてきた書類ってのが映されてて… 真っ黒なんだよ。もう、真っ黒なの。すでに真っ黒なの! 今現在のこの国で、あの問題の法律がまだ国会を… でも、分厚いファイルに綴じられた真っ黒に塗りつぶされた書類書類書類、が現実なの。それはもはや書類では… ないよね? この頃のこの国って、俺の妄想よりヤバいの? もう遅いの? 俺の妄想力なんて、もう及ばない速さで、この国はディストピア化してるの? 教えて! 誰か教えて! 20131201-2

体罰

 中学校で武道を教えている人間が生徒に暴力をふるい問題になった。本人は暴力ではなく体罰、正当なる力の行使だと訴え、保護者は暴力だと主張し、生徒の指導者として相応しくないと、解任を要求する。しかし学校側はこれを受け付けない。保護者側は教育委員会に訴え、これにより問題の指導者は解任、しかし暴力行為が原因ではなく解任の理由はあくまでも“選手を想うがあまりの行き過ぎた指導”。しかし、問題となった暴力行為の証拠映像がネット及びマスコミに流れ出すと、教育委員会は元指導者の暴力行為を認め謝罪する。「世間をお騒がせして申し訳ありませんでした」世間? 世間を騒がせたから、お詫び? 殴り倒され、心に傷を負い、鼓膜を破られた子供にはヒトコトの謝罪もナシ? 何なんだろうねェ? この二転三転する状況は? 朝の新聞を読みながら私は喋る。朝食を作る妻がフライ返しを振り回しながらふり返りもせず答える。それは社会の雰囲気に流される組織的人間の怖さです。我国が風雲急を告げ、国力増強が急務な現在、生徒指導に全身全霊をもって取り組む指導者を愚弄する行為は我国に対する反逆行為であるぅ! …的な状態でも教育委員会は同じ対応をしたでしょうか? いいや、しないでしょう。暴力行為と思われる様な指導をする人間も怖いですけど、あくまで個人です。行き過ぎれば犯罪者として対処できるだけの社会常識を、体制を、法律を、まだ私達の社会は持っています。被害は生じるかもしれませんが、でも最小限度で食い止めようという力は働くはずです。ハズです。でも組織は、組織的なシステムのバグは… その場の雰囲気に流されて主張をコロコロ変える組織は… 首をスゲ換えて生き延びる組織は… 今日深々と頭を下げて「お騒がせした事をお詫びします」と言ったとしても明日は、風が変われば、世間が変化すれば「この非国民!」横一列に並んだスーツのおっさん5人の力一杯罵倒する声で目が覚めた。ゆ、夢? こんな変な夢を見たのは、モノゴコロ付いてから52回しかないよ。20130320-4

見た

 これは、本当にあった事です。 …なんて書いても、今まで散々ウソばっか書いてきたんだもの、だあれも信じちゃくれないよね。 …まあそれはいいです。信じてくれ、とは言いたいが、冤罪、無実の罪で裁判受けてるわけじゃない。信じてくれなくっても実害は無いし、かまわない。でも、 …ホントにあったのよ、これ。昔、私ね、バイクで通勤してたの。んで、バイクに乗って家に帰る途中。時間は、まだライト点けるにゃ早いかな、って頃。交差点である高級車の右後ろに止まってたの。見るともなしに、見る。運転席側の窓は下りててサイドミラーに顔が三つ四つ見えた、運転手さんと後ろの席からのり出して運転してる人と話してるのかな? それがミラーに映ってる、と思ったんだけど、後ろの席はから。誰もいない。あれ? 見間違い? でもサイドミラーには… あれ? 後ろの人、やけに頭がでかくて色が白い、ってか、あれアタマ? 白い風船? えっ! と思ってるうちに信号は青になって車は行っちゃった。あれ、なんだったんだろう。ナニカだったのか、何にもなかったのか? 人の脳は生まれて初めて見るモノを視覚として表示する場合、時間が無いと、今まで見たモノの中から一番似てるモノを代用すると聞いたことある。コンピュータの「文字化け」みたいなものかしら。 …でもって、あの、私が人の頭と認識したアレは、今思うと白い風船みたいにも思えたあの頭と言うか顔は… なんだったんだろ? 幽霊も死後の世界も信じない私だけど、 …自分が何を見たのかも判んないって、いまだ見て解んないモノが世の中に存在するなんて… ちょっと情けないし、…とても不安。20111026-2-3-4-5

死神

 最近、眠りに落ちる直前、顔面の筋肉が異様に動く事を自覚する。自分の顔が自分じゃない何かに変わる? いや、正確にはそうじゃない。私の胸の内に秘めた荒々しい感情、理不尽な世間に向けての力一杯のアピール、そんなモノが私の顔面に憑依する、そんな感じ。あー、簡単に言っちまえば“怒りの表情”だな、かなり強い、すごく強い、とても強い。で、それがだんだんと、昼間にも、仕事中にもウニャウニャと私の顔面を支配しようと動き出すようになってしまったわけだ、困ったね。 …ストレスたまってんのかな? わかんない。だいたいそんなに感情をあらわにするタイプじゃないんだよね、俺… それに仕事だって、そんなに忙しいわけじゃない、どっちかってゆーと、最近少しヒマ、なんだよなあ。出世しそうにもないし。将来への不安? そんなの今時持ってない奴なんていないっしょ。政治や大企業に対しての怒り? それも同様、持ってない奴なんて… いないだろうなあ? どう?
 あ! どうしょ。今昼休み、デスクでウトウトしてあの顔のまま「はい?」ふりむいてしまっ「ヒッ!」後輩のクボ君は他には何も言わずそのまま屋上に向かって、そこから一番早い方法でビルの外の道路に身体を押し付けた… 後日わかった話だけどね。数日後、クボ君の通夜の帰り道、都内駅前で派手で個性的な服装の反社会的な人に積極的にかなり積極的なアピールを受けた。私も酔っ払っていたから… ひどく。で… あの顔が、でた… 「ぎ!」派手で個性的な服装の反社会的な人は私から目をそらし走り出し、できるだけ速く遠くへ行こうとして、でもそれには車道が3車線の車道を越えなくてはならなくて、信号は青で、でも残念、それは車の方の信号 ぐしゃ、とゴツ。ふたつの音が合わさったような音がした。俺は必死で顔の筋肉を弛緩させて、振り返らなかった。 …で、それから。いろいろあったけど、あの顔を見た人間で今現在生きている人間はいない。だから、だから俺は。 …朝ヒゲをそる時が一番怖い。20131128-2-3

プロフィール

Author:KU2
 改行が嫌いです。嘘とイイカゲンが好きです。…改めまして、FC2ブログへようこそ!

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