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夢の後

 大きな駅、その西口から少し離れた商店街を歩いてる。白いビニールのゴミ袋には近くの公園でやったパーティの残骸。そー、昼間っからドンチャン騒ぎ。で、食べ残したビザだの紙コップだの… ああ、食材も資源もモッタイナイ! 俺の手もベトベト。職場の同僚が「ウエットティッシュありますよ、使います?」ああ、親切な娘だね、でもいいや、駅のトイレで洗うから、これ持ってかなきゃならないし。 …とか言いながら「今度飲みに行かない? 二人で?」おお! 若い女性を口説いてる! 何やってんだ俺! すごい! 妻帯者なのに! あ! この世界では違うのか? ではもっと積極的に… そんな時、古代の巨大魚が出現したというニュース、何なんだ、それが人を襲う? 海がないここら辺には関係ないよね、と同僚のあの可愛い娘-彼女と話していたら、アナドッテた、出現場所は、 …ここだよ! ザワメキがドヨメキになった街角を曲がると俺にも見えた、10メートルくらいの岩でできたサメ? そんな生物、いや生き物かどうかはビミョーな物体が駅前近くのビルの谷間に浮かんでいる。CG? 一瞬そー思った、俺はバカ? ニュースの続き、後を付いてきた彼女が、スマホで実況中継してる、気の付く娘だね、ホントに。「―古代魚、と放送いたしましたが、正確には頭足類、タコ・イカ・アンモナイトに近似した生物と判明しました、目撃された方は、口角による捕食活動だけでなく触腕による捕獲活動に注―」んな事を聞いてるまに、流線型の魚の顔だと思ってたとこに亀裂が入り魚の顔面を構成していたものは触手となり、こちらに高速で伸び! ★☆★ 目が覚めた。家のベッドの上、隣では奥さんの寝息… 夢か、でもその瞬間、あの娘残してきちゃったよ! とパニック。 …ああ、俺、結構良い奴? なんてね。いやぁ、目覚めてなければ、悪夢のごとき醜態をさらしてたろうね、きっと。 …それに、どーやら俺、浮気願望があるみたいだな。腕組みしてそんな事を考えてると、「そうね」隣から奥さんの声。!? ちょっと、いやトテモ怖かった。20140428-2+
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住んでいた

 お化け屋敷に住んでた、って話はしたっけか? …住んでたんだよ中学生の時。名古屋に引越した時。親父が仕事の都合で転勤したの。会社が社宅として用意してくれた家は… おお! けっこう立派! けど、どうしてこんなに暗いんだ? 傾斜地ではあるけど北向きじゃないし、植木が多い? ああ、家のひさしが出てるから… ? でも、門から入って玄関までの道、アプローチここも暗い… ? ま、いいや。和室だけどハナレ的な独立性の高い自分の部屋をもらえたし。そこそこ満足。…げ! なんでトイレの壁の色が赤なんだ! んで、トイレがこんなに長いって… トイレのドアを開けて便器までどんだけ歩けばいいんだ、5メートル? あああ、それに風呂場より脱衣所が広いのって変じゃね? 加えて、書院造り風の部屋の隣に暖炉のある部屋… ホントわけわかんない家! そのうち母親がおかしくなった。幽霊を見たと言い出して… 専業主婦だったから一番長時間この家にいた、のは確かだけど… で、そんなこんなで、 …4ヶ月でまた転勤。オイオイ、親父か会社かどっちだかわかんないけど、大丈夫か? 引越し先は今度は四国。そこでは親父が変になったけどそれはタブン別の話、 …きっと。 …でね、どうしても、あの時の事が納得できなくて、いろいろな人にいろいろ聞くと、「え! あの家に住んでたんだ!」とか、「ああ、あの家… それ、あなたのお母さんだけじゃなくて… 」とか。 …だから45年たって名古屋に行ってみたのさ。あの家をもう一度見て見たかった、お化け屋敷なんてホントは… 確認したかったんだ。角を曲がって坂を下り右手に… 無かった。家どころか土地さえもなかった。なにも、無かった。20140421-2+

ウシロ

 図書館に自習室を作った。ま、市民の要望でね。ホントは議員の圧力? そーゆー事は言わないの。タメになんないよ。利用者は多くて、ホント市民の為にはなってんだから。そーゆー事はいいの、どうでも。 …問題は人員的に職員をはり付ける事が出来ないので監視カメラ、あ、今は防犯カメラって言うのか? それを設置したのさ。監視人がいないと人気のない自習室で「おジョウさんん、ぼく、ぼくはぁ! うふふふふふふ!」なんて人が現れないとも限らないからね。ああ、なんて社会なんだろうねぇ。―また愚痴が出る。でも、カメラがあるからか、わが市にはそんなオロカモンはいないのか、事件は起きなかった。でも… 俺、見ちゃったんだ。その記録動画。どんなふうに映ってんのかな? なんて、チョットした好奇心で、ね。 …見なきゃよかった。昨日の閉館時間10分前から見てみる… 机の上や下を確認し、消し忘れのデスクライトを消して回る俺、その後ろをぴったりとついて歩く痩せ細った着物姿の男? あんな細い、細すぎる男いるのか? そいつがヒョコヒョコと俺の後をついて歩く。楽しげに? いや、俺を小バカにしたように! あんな奴もちろん昨日いなかった! いたらわかる、はず。くっつくほどに近くを… でも… それから見る事が出来る限りの画像を確認した。閉館時間、自習室の戸締り確認の職員の後には必ずあのビンボー神、そう、あの容姿を一言でいえば、貧乏神。不思議と2人で自習室にはいる時にはいない、ってか、映らない。2人の視線の死角に入るのは至難の業、と言うより不可能? でも自習室を出る最後にカメラ目線でVサインしたり突然アップで映ったり… あれにはちょっとビビった… アイツは調子に乗ってるんだ、きっと。 …だから今は見ていない。ってか見る事が出来ない。どうやらこれに気付いた上司が監視システムのパスワードを変えたみたい。俺は何も言わないし、上も何も言わない… これでいいのだ、たぶん。でも、何かあってあの画像見る奴は、オドロク、よねキット… あ! 待てマテマテ、独り缶ビールを開けながらテレビを見てる俺の後ろに“アイツ”がいない証明は… 誰が、誰がしてくれるんだ? それとも… 20140424-2+

再会

 夜目が覚める。明るいと眠れない俺は、雨戸を閉めて遮光カーテンを引いて部屋は真暗。何も見えない、はずだけど… 誰かいるのが分かる。枕元に仁王立ちの誰かがいる。どうやって入ったのかはわからないが泥棒だ、きっと。金も嫌だが命を取られたら… あああああ、でも、動けない。恐怖で足がすくむ、ってか指一本動かせない。あああああああ!  …ピピピッ、ピピピッ、ピピピッ、アラームが鳴り飛び起きる。あ、朝、夢? だったのか? はぁ~、あんな夢は初めて、じゃないのが悩みのタネだよ。まいったな、アレって金縛り、って言うのかな? 昨日はそんなに飲んでないはずだけど… 顔を洗おうとして洗面所で凍りつく、裏が収納になった鏡にマジックインキ? でデカデカと「夢ぢゃないよ!」バカにしやがって! すぐ玄関の施錠を確認する。問題はない、鍵はかかっている。ミステリーだね。「夢ぢゃないよ!」と書かれた冷蔵庫からグレープフルーツジュースを出しながら、ちょっと余裕。 …俺、なぜに余裕かって? それはこれが2回目だからさ。今回はこっそりビデオを回してんのさ、小型のHDDのデジタルカメラをロフトにセットしてね、赤外線ナイトモード? とにかく暗闇でもバッチリ! さあて犯人は… 必要とあらば警察へ持ってくぞ! ちょっと怖いけどね。午前3時前まで何事もないんで早送りで… 3時20分俺起き上がり? ベッドの横に仁王立ち? やがて引出しをごそごそ? マジックを左手に持って… んで視界から消えて、洗面所か? やがて帰ってくるとカメラ目線で右手をグーにして親指を立てて見せた! 俺の眼は笑ってる、邪悪な狂気を秘めた目で、俺の眼だぞ! でも、正視できないほどの… さあどうする、警察に届けるかどうかなんてもう問題じゃない! あと、12時間ほどで、夜がやってくる、17時間で寝なければ明日の仕事に差しさわりが… どうしたら… 俺はどうしたら… 20140423-2

世界改変

 朝起きて窓から差し込む太陽の光が変。緑色。慌ててテレビを点け、スマホで検索… なんも無し。世界は平和。東ヨーロッパのどっかの国が内紛で国内情勢が不安定とか、名古屋で連続放火事件だとか、大阪でトラック暴走とか、いじめで自殺とか、もうイツモノトオリ。平和? ではないかもしれないけどいつもと変わらぬニュースが流れてる、だけ。じゃ、俺の眼か頭が狂ったんだと思ったが、とりあえず出勤。今の世の中、太陽の色が変わったくらいで大騒ぎしてメシノタネを失いたくない、これ正直な話。再就職、きついからね。で1日様子を見ると、狂ってんのは俺の視力? 眼だけみたい。ならこのまま行こうか。保険も使うとヤバいし、世界が緑色に見えるだけなら問題はない、と思う。こうして俺は緑の世界に適応していったんだけど、はは、でもね、ちょっと食欲は減退気味かな? 飯の色がマズそうでね。でも、緑色の世界にも慣れた頃、また変化は起こったのさ。朝起きると視界がなんか変。鏡を見ると額の中眼が消えている! 右眼と左眼しかない! これはマズイ! と、慌ててテレビを点け、スマホで… 出てくるニンゲン皆二つ眼! ゲゲ! 気持ち悪い! 気が狂いそう! けど、今回も慣れるしかない。俺の狂気が進行してるのかもしれない、けど! とりあえず出勤しなくちゃ、狂ってたって腹は減る、金は必要。なんかくたびれてどうでもいいや、とも思うけど。自殺はしないぞ、死んでたまるか! この世界がどこまで狂うか見届けてやる。そして、次の日。窓から差し込む太陽光は… 光に、色がない… 信じろ! 世界は修正される。昨日まで正しいと思っていたことは明日には間違いになる、変わる、変わっていく… 問題はそれを記憶する人間の存在の必然性だ。世界は何を考えているんだ? 20140420+

むじな NOW

 初夏の夜、サンダルをペタペタと鳴らして、コンビニからの帰り。レジ袋をブラブラさせて道を歩く。帰ったらこれでビールと、足りなきゃ日本酒も。確か菊姫の山廃がまだ少しあったかな… 明日も早いから深酒はできないけどね。そんな帰り道、人気のない公園の入り口。見るとしゃがんで肩を震わせる女性が、年齢は20代後半? 質素ではあるが上品な衣服、こちらに背を向けているので美人かどうかは… ああ! …解かっちゃった。アレだ、小泉八雲の、ラフカディオ・ハーンの、怪談? 確か、「むじな」だったっけ、あの、のっぺらぼうの話。はは、でも、今は現代! (日本語として変だけど、意味わかるでしょ)対応は可能。「お嬢さん、振り向く必要はありません。御所望なら110番か119番に連絡しますけど? どうします?」チッ! けっこう大きい舌打ちの音が聞こえて、お嬢さんは消えた。フフンと鼻で笑って家に帰る。「どうしたの? 遅かったじゃない?」奥さんが尋ねる。そこで俺は、今経験したばかりの… あ! これもマジイ! 続いてるよね、アレ。「ああ、ちょっと雑誌を立ち読みしてて…」 ふん、負けるもんか! そこに息子が、顔色を変えて家に帰ってくる。「今そこで…」ああ、 …し、しまった! 私達は、息子の怪奇な体験を聞いてしまった! やはり、唐突にある欲求が沸き上がり抑えきれない。そう、あごの方からツルリと顔を撫でたくなる誘惑。必死に我慢するのだが、あのセリフが… あごからピリリと薄皮を剥ぐようにボウとした顔が… 息子の悲鳴 照明が消える。20140418-2+

光速を超える事についての考察

 この世界で一番早いモノ、って光で、光速で移動すると火星まで4分くらい、おお速い! さすがコウソク、高速、光速… オヤジだよどうせ! でも、シツリョウがあって加速減速が… やっぱ現実は4分で火星に旅行、とはいかないよね。 …じゃあジイサンはどうか? 私が火星にいて娘が地球の某県某市に住んでる。娘はそんなに美人じゃないけど、26歳の誕生日を迎える3ヶ月前に劇的な、ま、個人的に劇的な出会いがあって… ウルサイ? かもね。でもさ、ダンナは最初ヤクシャで小さな劇団の… 俺は反対して… でも… はい、本題に移ります、子供ができたんだよ。で、4月17日に生まれたのさ! で、生まれた途端、火星のキュリオシティで農夫やってる俺はたちまちオジイチャン、だから。オジイチャンは光速より早い。いい話だなあ、って事もないか。オジイチャンは光速より早いという理論は正しいのか? 正直、う~ん? だね。情報の伝達になってない、とも言える。これは事実の伝播? その速度の問題? あわわ、また持ってる以上の問題を立ち上げてしまった。さあ、オジイチャンは光速より早いのだろうか? 誰か教えて!
 まてよ、これが手袋だとする。2つの箱の中にそれぞれ手袋の片っぽずつを入れる。そんで一方の箱を火星に送る。さて、地球で箱を開けて右手の手袋だったら、火星にあるのは左手! 情報の伝播は光速を超える! って、バカ! 誰だよ軍手入れて送ったのは! 20140417+

スイカ

 妹の話。そんでなぜ俺はスイカが嫌いか、って話。昔、両親や俺と同居してた妹は、バイクで都心のデザイン会社に通ってた。ある夏の朝、通勤途中に妹のホンダXL125を高速で追い抜いてゆくロードバイク。おー! キアイ入ってるね! 妹はそう思ったそうだが、3分も経たないうちに甲高いブレーキ音と鈍い衝突音。すぐに車の流れは悪くなり、渋滞が始まる。こんな時バイクは便利。車の間を縫って、それほどスピードを落とさずに進む。そして、事故現場が見えてくる。事故車はあの追い抜いて行ったロードバイク、らしい。3車線、一番左。歩道寄りを低速で走っていた妹は路肩に転がっているヘルメットに気付く。血糊の軌跡を引きずり、まだ新しい血液の付いたそれは事故の証拠品かもと思い、バイクを止めヘルメットを拾う。ヘルメットは… 思いのほか重い。見ると… 中身があったそうな。で、妹がこの話をした時に言った。「こんくらい、スイカみたく重いのよ…」それで、繊細な神経を持つ兄貴、俺はスイカが食えなくなり、それからの夏、妹がこの果物をヒトリジメしてたって話なんだな。自分は実物を見てるクセに… なんてこった、この経験から女性は強い、と言いたいが差しさわりがありそうなので、ただ単に「ウチの妹は強い」に留める。20140412-2+

キキ的状況

「言いたいことあるんでしょ。なんで私に直接言わないのさ」俺に逃げ場はない。放課後教室にいるのは俺と松井さんだけ。仁王立ちになって俺を教室の隅に追い詰めた松井さんはかなりゴキゲンななめ。あ、ほっぺもふくれてる。 …かなりヤバ、だな。「そりゃあ、そりゃあね。その、何だ…」言える訳ないじゃないか、俺は見ての通りヘタレだし、そんな俺だけど、俺だけど、松井さんは体格的にも精神的にも実に男らしい …女子高校生だし。そんで、男子はみんなゴジラなんて呼んでるけど、でも、みんなが考えてる事は俺と一緒だ! でも、そんな彼女のスペックと自分のそれとを比較してるとホント泣きたくなるんだ。俺、しっかりせい! とは思うんだけど、でも… 「何なの!」あぎゃ! 「そりゃ、松井さんがこわ…」マズ! ついホ、ホンネが、「こわ、 …何よ!」松井さんの眼光が鋭くなる。あああああ!「松井さんが… こわいいから、可愛いから…」ああっ、く苦しいっ、こんな強引なタワゴトが松井さんに通じるはずが… はずが… はずが? ありゃ、松井さん、何でアカクナッテんだ? 20140412-2

支援終了

 あのさあ、“うぃんどうず えっくすぴー”が危険です、っていうぢゃな~い、細菌。あれってさぁ、つまり、“XP”って、ペケパソコン? それか、ばつパソコンの意味なの? だめパソコンとか… ハハ…

 はい… 酔っぱらって書いてますた。20140412

水音

 仕事を終えて家に帰った。エレベーターを6階で降り家の鍵を開ける。開けたと同時に耳に入ってきたのは水の流れる音。何なんだ? 中に入り確認する。洗面所の蛇口が全開。水がほとばしり出ている。溢れて床に水が流れて… ああ、下の階の人に何て言おうか、なんて事がなかったのはラッキー。いや、まて。俺は朝、顔を洗ったとき蛇口をこんなに全開にした? と蛇口を閉めながら考えていると奥の方から、キッチンから水音。今までしていなかった水音、誰かいるのか? 蛇口をひねった誰かが? しかし何の為に。あ! 盗人が高圧的に俺を逃がすチャンスを与えろ、と主張しているのか? いやしかし… 意を決して、なんてカッコヨクはなく、へっぴり腰で部屋のドアを開ける。キッチンのシンクを見る。やはり水栓が全開。何なんだ? って考える間もなく今度はバスルームで、蛇口全開の水流音。この狭いマンション、嘘だ、アパートの間取りでこれは不可能、泥棒の、いや人間の仕業じゃない、そう確信してバスルームへ行ってドアを開ける。そこには、老人が蛇口を、そいつが振り返る。親父? 親父がいる! 「あもにはれもや、どこすかとものたやう」 親父は3年前スイゾウ癌で… その親父が銀色の全身タイツで、ああ、文字といえど描写したく、ないっ! その親父が、迫る、近づいてくる。そして俺の… 視野が急速に狭くなり、何も見えなくなる。なにも…
 仕事を終え家に帰ってきた。鍵を開け玄関に入る。旦那はまだ、のよう。玄関の照明を付け、先ほどからの違和感の正体に気付く。勢いよく水の流れる音、誰? 蛇口を閉めずに家を出た人は… 洗面所で蛇口を占める。旦那じゃない。お義母さん? 来たの? タカヒサ? 神経質な長男のはずはない。また水音。走って台所へ、そこには銀色のタイツで全身を覆った男が… 振り向いたその顔は、「兄さん!」 兄が、2年前突然蒸発した兄が… 「兄さん、今までどこに?」「あものはりるや、どうすことのもたあやう」ああ、兄さん眼が急に…
 飲んで帰って家へ、鍵を開け入る… 水の音… 20140411+

正体

 思い出す。人生の割と早い時期で… いや、かなり早い時期に人生を断ち切られた友人を。高校生だった俺達は、葬儀の帰り道、誰もしゃべらなかった。みんな無言、ああ、話なんてできない。話すべき事なんてあるわけないだろう、こんな状況で。誰もが酷い現実に押しつぶされてた。 …そいつは、病気を抱えていて、でも半年前やっと復学して、 …でも、体調がすぐれないと病院に行って、その待合室で… 無念だったろう、苦しかったろう、まだ生きたかっただろう、「これから」なんてもんじゃないっ! まだ始まってもいない人生。そう、高校時代なんて、輝くセイシュン! みたく言う奴もいるけど、よっぽどの人間でもなければ… まだ親に生かされている時代、屈辱の時代。 …あれ? そーいえば、大学卒業する時も、友人が… アレは… あああ! まてまてまてっ! それで思い出した、職場で、知り合ってよく酒飲んだ、2日に1度は酒を飲む、そんな酒友(さけとも)もいたけど… 転職して、その職場の事故で… それに、人事交流で知り合ったあいつも… なんか、俺の友人って、みんな短命? いやいやいやいや、生きてる奴も… いる、 …はず。なんだけどな…  …いない。はじめて気が付いた、俺、友人と言える人が… いない。いや、決してみんな死んでるわけじゃないよ。行方不明や音信不通の奴等もたくさん… たくさん? そうだ、結構たくさん、だ。 …俺って、…何なの? 20140406-3

 人間って社会的生物、らしいから孤独で、寂しくて、人恋しいと… 現実じゃないモノ、いないナニカを見ちゃう様になるらしい。天井裏に誰かが住み着いて私のお財布を取るんです。とか、私が2階にいると下で、下にいると2階で誰かがザッザッザ箒で畳を掃く気配が… 長い時間を独りでいるとそーゆー事もあるらしい。最近読んだ本に書いてあった。ハハ、人間って弱い生き物だねぇ。あ! ひょっとして、UFOや宇宙人ってそーゆーモノなのか? 孤独な人類が見た幻影? あああ、じゃあ、じゃあ、神様も… …いや、まて。 …そんなこたぁどうでもいい。俺の、俺の嫁さんて、無口で、恥ずかしがり屋で、一緒に暮らして15年だけど、嫁さんあての年賀状見たことないけど、アルバムに写真が無いけれど、でも、でも… 「おい、由紀子… おい!」急に家が、広く、暗く、薄汚れて見える。嫁さんはきれい好きで… 埃がたまった廊下。洗濯も毎日… バスルームのカビの生えた洗濯機。「由紀子お!」シングルベッド一つの寝室… 俺は… ドンと背中にあたる何か。どうしたの、あなた? 「お、おまえ、どこに?」回覧板をお隣のポストに、ごめんなさい、すぐ帰ってくるつもりだったから声もかけないで行っちゃったの。でね、お隣の奥さんと少しお話ししていて、ごめんなさい… 怒った? 「ああ、いいんだ」家は、家の中はまた元の様に明るく、きれいで… 「でね。あなた、喜んでくれるといいんだけど… 私、赤ちゃんが… 」あああ、嬉しくないなんてはずはない、俺は振り返り、そこにいない妻を抱きしめる、おなかの赤ちゃんに気を使いながら、やさしく。20140407

外道

 独り暮らしをしていると、頭を洗っている時、後ろに誰かいるような、って感覚はあるよね。怖い? でも、まだまだ大丈夫。もっとひどくなると、お風呂に入っている時、ミシリ、ミシリ、ミシリ。2階を人が歩く気配がしたり、バスルームの扉の向こうに誰かが… なんて事が起こるらしいよぉ! 怖い? ハハッ! ナニが怖いの? 昔よりマシよね。 …家族で暮らしていて、私がお風呂に入っている時に、2階の私の部屋で誰かが歩き回る気配がしたり、バスルームの扉の向こうに人の気配がする方が… 怖かった。そ、ワタシの経験では、死んだ人間より生きている人間が、赤の他人より身内が始末に負えない… 死んだ人間より、生きている、醜い“欲”を持つ奴の方が… 20140405-2

 朝、教室に入るとクラスメイト達がヘビを蹴っていた。さして大きくはないヘビは苦痛でのたうち回り、満身創痍。逃れようとするが、多くの人間に包囲されイタブラれる。傍観するにはあまりに不快な光景。だいたい、ヘビを取り囲む友人知人達が尋常ではない興奮状態。何かに取りつかれた? そんな表現はアリキタリだけど、 あまりに変… その異常さについ「おい、」いつもバカ話をする親しい友人、その肩に手を置き「何やってんの? 大丈夫か、ちょっと変だぞ、お前」言葉をかけたのはそいつだけで、そんなに大きな声ではなかった、どちらかといえばそいつだけに… でも、振り返ったのはクラス全員、そして全員が俺を見て完璧にハモって、「なんだ、キミも“ヘビ”だったのか。一匹捕まえれば、その辺りには5匹はいる、ってホントだったな」言葉が終わる時、すでに俺の退路は断たれていた。グルリを囲まれ、イッセイに… 殴りかかってくる最初の1発は避けたつもり、しかし連続して繰り出される元友人達の腕と脚に対し身を丸め、防御の体制を… で、目が覚め、た。んだ。 …不快な、すごく不愉快な夢だった。いやな汗が出ている。パジャマのまま部屋を出て、階段を降り、洗面所で顔を洗う。ダイニングに入り、「おはよう」と母の声を聴く。「どうしたの? 蒼い顔しちゃって?」振り返り俺の顔色を見た心配そうな母の口調に気を許し、夢の話をする。話し終わって、母が母じゃない声で言う。「オマエも“ヘビ”か。一匹捕まえれば、その辺りには5匹はいる、ってホントだったな」いつの間にか俺の後ろに立つ父も妹も… これは、昨日まで俺の知っていた俺の家族じゃない。始まってしまった事がとても残念だ。そう思いながら、静かに人間には認識できない部位に力を入れる。テーブルが振動を始める。20140331-2

鬼畜

 エイプリルフールだ! ウソツキが一番待ち望む日だ! 子供の時から、正月よりも、子供の日よりも、自分の誕生日よりも、クリスマスよりもワクワクする日! 朝いつもより1時間も早く出勤して待ち構える。2番目にやって来た奴がエジキ。「おい! 聞いた? リニア新幹線この街を通るの!」朝まだボヤッとしてるエジキが応える。「え? 知らない、ホント?」「え~! 朝ニュース見ないのかよ!」「う、うん。今日は見なかった…」あ、もうギリだな、黙ってそのままヘラヘラ顔で同僚の顔を見続ける。「あ、あ~! し、しまった! きょうは! 俺も昨日は考えてたのに~!」はっはあ! やったね! 今年も成功! で、仕事が終わって家に帰ると中は真っ暗でリビングに正座した奥さんが言う。「ねえ、この前の土曜日。大学時代のお友達と会う、って出かけたけど… 」あとは両手で顔を覆い肩を震わせる。ヤバ、オトモダチの性別は問題のない方向へミスリードさせたつもりだったんだが… もちろん遊びさ、本気じゃない、でもその台詞だってかなりヤバい… どうするどうするどうする! 「な~んちゃって! ビビった? 今日はエイプリルフールだよ!」奥さんのハジケた笑い顔で、安堵する。な、なーんだ、ウソだったのかぁ。しかしそこで退かない。「え? エイプリルフール? ばか、それ4月2日だぞ!」え、え~! 奥さん焦る。 …さあ、どこでバラそうか? タイミングが大事… 20140401

プロフィール

Author:KU2
 改行が嫌いです。嘘とイイカゲンが好きです。…改めまして、FC2ブログへようこそ!

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