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秘密

 お見合いした。いやいやした。大学も出て、それなりのとこに就職して、何のウシロユビも指されない生き方をしてたのにっ! あなたももう大台にのるんだし、なんて親に、親に親に言われて、大晦日前のクリスマスケーキの心境。 …笑うトコよ、ここ。あああああ… でも、やったね! オオアタリ! いい人だった! 年収も、ルックスも、身長も、性格も、趣味も、親族友人地域関連全て問題なし! 寡黙で影があるとこも私好み! しかも! exclamation markやけに多いよね。でへへへへ、しかも、相手も私に… フフフ… ヘヘヘ… ホホホ… 再びヤッタネ! 大当り! タマノコシたぁ、この事よ! デートも3回目。あいにくの小雨だったけど、彼の車、BMW435iかぶりおれとかでラクチンなデート。えへへへへ、どーしても笑っちゃう。
 …でも、笑っちゃうのはここまで、だった。運転中の彼の側のドアグラス、レストランでペリエの入った彼のシャンパーニュグラスに、神戸を見下ろす窓ガラスの向こうに、小さな、ホントに小さなモミジの葉っぱのような星形の手形が、ちっちゃな★型の手形が… ニンゲンの、じゃない? ペタ、ペタ、ペタペタ… 音もなく、でも見える。見えるのは手じゃなくて、手の跡。増えていく手の跡。 …そして、私を家まで送ってくれる車の中、彼もその不思議な手形に気が付く。いいえ、今まで無視していた? そして、私が見てるものを知って、もう無視できなくなって… フロントグラスの向こう、動くワイパーの向こうを見て、ワイパーのブレードと雨が消す小さな手形を見ないようにして彼は言う。表情はない。「喋りたい人には喋らせとけばいいんです。言いたいことがある人は言わせとけばいいんです。」そして、ハハとちいさく笑ったけど、私は笑えなかった。その日のデートを最後とした。 ねえ? …見なければよかったの? 20140727-3
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修羅場

 仕事が終わらない。やってもやってもやってもやってもやってもおお! 仕事が終んない。バカな上司が安請け合いしてクダラナイ仕事を一杯とってきて… とグチりたいけど、ドナリタイけど、そのヒマもない。ヤッテランナイや。梱包済んだ箱を集配業者に引き渡し、次の作業を開始する。あああ、展示品の選別がまだ? 現在、午前4時。あああ、また泊りだよ! 日が昇りきる前に終わるのか? イカン! 開館時間が迫る。この作業、長期戦にシフトして、3分の1は寝かせるか? 仮眠は事務室の机の間にダンボール敷いて… いけるか? 人員配置の判断は失敗を許されない。身体はグタグタで、頭はドロドロだけど、学生時代の文化祭前夜みたいで無駄に心はドキドキしてる。失敗して、詰め腹切らされるんなら、上司に一撃入れてからだな。アハハハハハハハハノハ… 何なんだこれは!? あああ、解かったっ! ゆ… ってとこで目が覚めた。窓の外、カーテン越しでもわかる、今日も晴天だ。きっと猛暑日だ。はあ、今から2時間後に立ってるホントの職場は、それほど過酷ではないけれど、あんなにドキドキも、生きてるっ! って喜びもない。夢で良かった… のか? 20140724-2+

鯖威張る

 これ、ホントの事。(ああ、こんだけカタッといて… )俺が最初に仕事した職場。俺、直属の上司のこんな姿を見たことがない。ひとつ、出社するところ。ふたつ、退社するところ。すごいな、人の上に立つという事は大変な事なんだ、とトテモ感動した。あ、社長はけっこう遅く出社して、早く帰ってたけどね。けど、でも、俺はその会社辞めた。その後その会社は“アレマ”という急成長をした。まあ、その渦中に俺如きが居たとしても、クビになってただろうな、絶対。あああ、今の職場でシアワセ… ぬるま湯バンザイ! なんて思ってたら、何だ? 上司が何か言いたそう。手招きされて付いて行った廊下の端で、「 …タチバナくん、君もいろいろ頑張ってくれているようだけど…」あ! あああ? これって… 20140725-2

小耳に挟む

 小耳にはさんで理解できないセリフ、いくつか。「全員ロリコンなんですよ!」? 隣の部屋のテレビでアナウンサーが叫んでた。キキマチガイ? ポリゴン? オリコン? いやいやいや、何だろ? 
「だからパンツは必要なんだって!」? 駅構内ですれちがった若者2人のうち片方が力説してた。キャンプに行く? 海外旅行? アバンチュール? それともソラミミ? 解かんない、そんな力まなくてもパンツは必要、だよね。
 電車の中で「シノパンがさあ」と学生が話してる。知り合いのあだ名? 先生かもね。でも、どんな故あって付けられたあだ名なんだろう? ちょいと気になる。 [後日、気になってググる。] …ああ、そんな事なの! ゼンゼン違うじゃん! くそぉ、知らない方が面白かったのにぃ! …他のもそうかな? 20140715-2+20120519-2

幻実

 こーゆー駄文を打っていて、良い事があるとしたら退屈しない、ってとこか。時々オハナシが思い浮かばないと死にたくなるけどね。悪い事は… ああ、悪い事は、記憶がアヤフヤ。妄想に記憶が侵食される、って事かな。私にオハナシが降りてくる時って結構リアルなシーン、画像や動画なんだよね。で、それが過去の記憶とごっちゃになるの。アレはホントにあったこと? なんてのがあるのさ。大学生の頃、関東圏に住んでたんで、某ネズミの国に行った。女の子2人と3人で。両手に花? トライアングルデート? 違うね、そんなんちゃう絶対違う。俺はモテない事に絶対の自信があるから。 …チックショー! 自分で言ってて情けない。 …ま、そんな事はほっとく。で、ほとんどのアトラクションはペアで乗る。あたりまえに女の子2人は一緒に乗るんだよ、二人はトモダチだから。俺一人。これは辛いなぁ。唯一パラダァイスゥ! だったのは幽霊豪華集合住宅のアトラクション。アレ3人乗りだったから。あの時だけは、あああああ涙が、でもホント? 現実? これって、降りてきたオハナシじゃないの? あの時好きだった2人、もちろん付き合ってたわけじゃない。なのに3人で遊園地なんてヘンだよね? ホントに行った? え? そもそも2人を好き、が変? 知るかよ、もう今から30年以上前の… 昔の… ねえ、訊きたいんだけど、付き合っていた人が、愛してた人が死んでしまったら、その愛は妄想? ずうっと手紙でやり取りしていた人を愛してしまって、でもそれが悪友のイタズラでその人は実在していなかったら、その愛は偽物? 小説や漫画、フイクションの世界の人への愛はマボロシ? いや、答なんか期待してない。どうでもいいんだ、そんな事は、どうでもいい。はは、ジンセイはマボロシだ! そんなどうでもいい幸せをイツクシンデ抱えて駄文を打ち続けるんだよバカヤロー!  …いや、「バカヤロー!」はナシだな。バカヤロー!は削除、と。20140719-2

FALL

「ねえねえ、見て。」あらステキな自動車! じょうずに描けたわねぇ。妹の子供、2歳の甥っ子が見せてくれた画用紙、かろうじて自動車と解かる。ってか、この子の場合レールがないから自動車。乗り物好きは解かるけど、画才はない。それでも、「ぷりおす」とか「たんえーす」とかツブヤキながら絵を描き見せに来る。会心の作ができると「あげる」とうれしげに笑いながら作品を押し付けてくれる。欲しくないって、しまっときなさい。ああ、あんたが将来ピカソにでもなるんなら、もらっといても良いかしら。高く売れるかもしんない。「あはは、姉さん、好かれちゃったね」妹が言う。「子供はね、自他の区別がつかないの。自分の好きな人は、自分の好きなモノが好き。そう信じてるの」 バカだね、子供は。ほっんんとうにバカ! 私に偉そうに講釈垂れる妹もバカ。
「マツイさん、映画のチケットあんだけど…」また? 職場の昼休み、同僚のナカノが声をかけてくる。シュタルケルのバッハ無伴奏チェロ組曲第5番、いいとこだったのに… イヤホン外して声の主、イカサナイ40前男を見る。どうせまたSF、…アタリ!(泣) 邦画をリメイクしたハリウッドの怪獣映画。私の趣味じゃないって。この男は何考えて… あ! そーいえば、昔見たスペースオペラの3部作けっこう面白かったと、そんな話をしたような… トートツに甥っ子の「あげる」が脳裏に浮かぶ。ちょっと不安そうな、でも「ありがと」と言うと満面の笑みを浮かべて… ああ、ひょっとして? おんなじ? 妹の言葉がリフレイン。ひょっとして? でも、大人だよ… でも男の人って… で、その時。ちょっと意地の悪い私が、気まぐれで「ありがと」と言って約束入れてしまったのが運の付き! それから始まるドタバタは… 赤面ものだから書かないっ。20140718-2

トモダチ

 あの泣きじゃくった人の話、またします。切手をそんなに買ったなら、ハガキにした紙もかなり買ったんだろうなあ。ハガキの大きさに切って手作りのハガキに1枚1枚切手を貼って… え? ああそうか、ハガキサイズの紙は売ってるよね。でも大変な作業量だよ。秘書もいないのに。そのハガキ、あ! 封筒の可能性もあるか? どちらにしてもテガミ送られてきた人はさあ、あんだけ泣いてるんだから、名乗り出てあげたら? 名乗り出た人がたとえ15%だってかなりの人数… 「俺はアノ人の熱い手紙をもらった。(別に熱くなくてもいいけど)彼はホントの事を言っている!」って。ああ、出張で面会した人もそうだよね、絶交なんかしないで名乗り出てあげなよ。ケンカなんかしてる場合? あんだけ会いに来てくれた人が危機的状況なんだよ。顔出しはNGでもフォローしてあげればいいのに。困った時こそ助け合うのが友達でしょ。それともそんなに会いに来られて迷惑だった? でも、それはそれでちゃんと伝えなきゃ、あーゆー人だからわかんないと思うよ、たぶん。でね、名乗り出てくれたら、そしたらチョットは喜ぶ人達がいると思うよ、誰とは言わないけど。…だけど、これ書いてる今の自分の顔、俺は見たくないな。きっと意地の悪い顔してると思うから。20140716++

トラン宣伝す

 コンピュータの性能が十分に上がれば、人間の脳をスキャンしてアップロードなんて事が映画じゃなくても可能に… なったとする。で、私がインストールされたコンピュータは、やっぱり私と同じで人の顔を覚えないのか? 私と一緒の人工頭脳=コンピュータなら当然そーなるだろうけど、コンピュータはわざわざ覚えないプログラムを作成して生きてる俺と同じくらいしか人の顔と名前を認識できない、記憶しないシステムを構築するのだろうか? だったら8ビットで十分! って、俺はファミコンかぁ! まあ、そんなバカな人格を高価なコンピュータに移植するモノ好きはいないだろうからこの仮定は成り立たないけど、けど、もし私のこの思考方法が必要、となったら… そうなったら、私とは別に私の人格をサポートするシステムを付加する形でコンピュータ本来のスペックを使うシステムを創ればいいんじゃないか? つまり、私を創るんじゃなくて、辞書付きの私を創るのだ。コンピュータの私が「あー、あれ。あの人誰だっけ?」「コーディネーターのヤマダさんじゃないですか。聞かれるの3回目ですよ。イイカゲンに覚えてくださいよ」「ワルイッ。でもこんな風に創ったのそのヤマダさんだよね?」「まあ、そうですけど、失礼ですよ、人の顔覚えないなんて」「いや、あのオカチメンコパンダの顔は覚えとんの、名前がね」「もっと失礼やん!」 …人類は高額の予算を使ってヘタな漫才師を創ってしまうのだろうか? チョイト心配。20140714+

危険人物

「蜂の子食うか?」親父が冷蔵庫からアヤシゲな瓶詰を出してきた。はあ? オレはあいまいに答えて、それを見た。オフクロが死んで、俺が結婚して家を出て、親父は今、自由気ままな独り暮らし。今日は「またも老人孤独死!」なんて新聞ネタにならないように様子を見に来たんだが… あきれるほどに元気だ。んで、出してきたガラス瓶には、俺の知ってるハチノコの10倍はでっかいハチノコみたいなものがハチミツ漬け? になって入っていた。ハッキリ言ってグロだ。どこで買ったの? と聞く。「うんにゃ、捕った」そういえば、庭に面した軒下に在ったスズメバチの巣がなくなっている。これは、それか? 「そうだ。ほれ、遠慮しないで」遠慮じゃない。思い出す。親父はムカシ猟銃を持っていて、捕ってきた鳩をさばいて妹と食っていた。俺は食えなかった、ビビリだったから。う~ん、10倍はグロだが、でもハチノコは美味い、とも聞くし… はっ! と気付いて親父に聞く「で、親父。これ美味かった?」「うんにゃ、まだ食ってない」 ★☆★!!  俺は毒見役かあ!! 冷静になって聞くと、この蜂の子を捕る時、大量に殺虫剤を使っているらしい。オ俺は殺されかけたのか、親に? ってか、親父ボケが始まったのか? とも考えたが、 …そーいえばムカシからこーゆー奴、イイカゲンでムチャクチャな人間だったのだ、親父は。今は昔の物語… 20140713+

59嫌疑

「ぼぐぁお金ガ好きなんでずぅ! 人をだまじでも欲しいんでズう! あぁあぁぁぁあ!」なんてギャグを… ギャグ? 違うかもしれない。これ、やったらマズイかもしんない。それは、あの状態が、本人の努力とか意志の力でどうにもならない、本人の責任じゃない事の表出かもしれないから。もし、そーだったら笑うのは、笑いのネタにするのは恥ずべき行為だ。誰に迷惑をかける、とかじゃなくて、自分の品位を下げちゃうよね、って事だと思う。と、書いたからワタシ自分の品位を下げてしまいました。 …あ、だけど、政務活動費の問題は別ね、領収書キッチリとって公開する方式にしなけりゃ、だめだと思う。それとアノ人が悪人かどうか? 特に犯罪者かどうか? ってのはまたまた別の問題だよね。それはそっちのプロが検証するべきだと思う。ああ、だから世の中はヤヤコシイ。今さら私が言う必要のある事じゃないかもしれないけどね。20140708-3+

五劫

 図書館に配属されて3年。この街の史料整理が私の仕事。そんな私のところに男が訪ねてくる。この街に関係する古い文書を持って。ナニカを探しているらしい。私は男の探し物を手伝う。男の背後には秘密の組織が? 調査活動中、妨害するモノの存在を感じるが、それはヒトではない。チイサイクロイナニカ? 餓鬼? 図書館の書庫にうずもれていた古文書、歴史民俗館の展示物に隠されていた日記、集めたモノが導き出したのは1軒の町屋敷だった。男と共にその屋敷に忍び込み、目にする秘密。それは「不老不死」 アタリ、だから私は協力した。死へ向かう病に侵され闘病を続ける我が妻を救うために… 盗み出した「水」は不老不死をかなえる。しかし誰もが、というわけではない。男は「水」を飲み、体中から緑の炎を噴出させ絶命、すればまだ良かったのにね。チイサイクロイナニカ、に変身してしまう。私にも同様の発火現象が起こるが、かろうじて不死を得る。しかしこの作用は病を治すものではない。妻に与えれば、不死を得たとしても苦しみが永遠に続くだけ。いや、永遠はない。不死は夢、私が、私達が不死と思い込んでいたのは、私の身体を何百年という長い時間をかけて、ゆっくりと石化してゆくこの地獄のような現象の事。それがヒトには「不老不死」に見えただけ。 …そして、今私は完全に石化し、黒い小石。そう石になれば後は風化作用で破壊されるまでの命。イノチ? そう、まだ意識はある。私はムカシ人間だった、アイする人がいた、妻がいた。すきだった。ワタシのスキだったヒトの名は… かれーらいす。かれーらいすが好きだった… で、目が覚めた。なんかすごく哀しい。 (追記:書き残している今は… 少し笑ってるけどね。)20140705++

息子

 近くの河川敷で息子と遊んだ、さんざ走り回り私は息が切れ、でも息子を追いかけ、息子は逃げ回り、走り回り、そんなたわいもない時間があっという間に過ぎて、気が付くと辺りはオレンジ色に染まっている。「帰ろうか」と言うと、おなかへった! とまだ元気そう。そんな息子を頼もしく見下ろし手をつないで帰る。「からすとぉ いーっしょに かえりましょおー」調子っぱずれで歌う私をナニソレと見上げていた息子も声を合わせる。カラスートーイーショーニー。カラスートー グン! 息子が異常な力でつないだ手を引く、引いて立ち止まる。オレンジ色、夕日に染まった土手の上の道、ほかに人はいない。息子は前方、帰る方向を凝視している。私には何も見えない。私の手を握る力が、息子の手に力が入る。何なんだ? 一瞬そう思ったが、すぐに思い出した。そうだ… 俺もそうだった… 「アキト、目をそらすな、でも、見つめるな。 …わかるな。父さんがついてる。大丈夫だ、行こう」息子は前を見つめたままゆっくりとうなずき、歩き出す、私と一緒に。俺も、俺もそうだった、親父に手を握ってもらって… あの時見たのは… ハハ、 …今まで忘れてたのに、アンナヒドイモノ。その日の夜、今日はお父さんと寝る! 妻は少しばかり驚き、あらまあ、今日は何があったの? 急にナカヨクなっちゃって。なんてぼやいてたけど、いつものママ、ママ! が無くてかなりショック、みたいだね。…でも、3日。3日で伝えられる。寝る前の「おはなし」で。最初の伝える事。見ても大丈夫。次の大事な事。でも話しかけてはいけない。そして最後にとてもとても大事な事。誰にも話すな。実はこれが一番難しいんだけどね。ハミガキの香りをさせて息子が布団に入ってくる、真面目な顔で、ちょっと大人になった、か? いやいや、まだまだ。「さあ、何から話そうか? あれは、父さんがお前くらいの時、親父と、いや、じいちゃんと山に登った時の事だ…」俺を見つめる息子が真剣なのは当たり前だ、でも大丈夫、俺も生き延びた、お前にできないはずはない。20140703+

バベル

 仕事は休みだったんで、縁側で寝ころんでうつらうつらとしていたら、猫が庭に忍んできたのが見えた。庭先で地面をついばんでる雀? 小さな鳥を狙ってるのは明らか。でも今一歩のところで小鳥は飛び去ってしまった。空を見上げたカッコで猫は「残念ナリ」 …あはは、おまえはコロ助か? ナリってなんだよ、ナリって… イマドキそんな言葉… で、ハッと気が付いた。いくらネボケてたとはいえ俺はバカだ。突っ込むところはそこじゃなくて、猫が人間の… 奥のふすまが開いて母が入ってきた、ああ、かあさん、今さあ、庭で猫が… 母はいつもの通り俺がまだ喋っているのに人の言葉に自分の言葉を重ねてきたんだけど、そのセリフが「ワン」 …びっくりより恐怖した、最初は母の冗談かと思ってね。怖いだろ、怖いぞ、母親の冗談。でも、冗談じゃなかった。これがあの摩訶不思議な世界的怪奇現象、意味のある言語は動物の鳴き声になっちゃうし、動物の鳴き声は… さっきの通り。人はセカンドバベルと言ったとか言わないとか、アノ26日間の大混乱の発端だったんだけど、俺は、俺はね。口うるさい母が「ワン、ワン」としか言ってるようにしか聞こえないので、ひそかに「楽園の26日間」と名付けたんだけどね。後で。20140625-2+

終わりの始まり

 職場にね、ちょっと変わった人がいる。この前、仕事で車に同乗した時「国が滅びるって、実際にはどーなるんだろうね」みたいな話をフッた。そんな話を職場の同僚にフル俺も変人だけど、その人は、ひょっとしたら俺より変人? と思ってるんだ、俺。で、その人はちょっと間をおいて遠くを見ながら「国を捨て出て行っちゃうんですよ。マヤもアンデスも… いなくなっちゃうんですよ、人が」ハアそうなの、とかムニャムニャ俺は応えた。俺はご存知の通り、話のネタ、嘘話の種、ブログのモトを欲しているだけなのよ。だから難しい話はダメ。でも、その人は、なんかマジだった。様に思えた。しばらくしてその人は出勤しなくなり、上司に言われて住所を尋ねた俺が見たのはカラッポの部屋だった。「いなくなっちゃうんですよ」その人の声が聞こえた。振り返っても誰もいなかった。そういえば町には空き家が目立つ。昨日遅く家に帰った時、俺の家の周りは真っ暗だった、どの家にも灯りは… 無かった。ああ、このあたりに住んでるのは、俺だけか。 …なんて話になるとカッコが付くんだけど、街にはまだ人がゴチャゴチャといるし、その人は毎日ちゃんと出勤してくる、時々、いやキッチリ取れるだけの有給休暇は取るけどね。でも、あいかわらず遠くを見るような、何時かいなくなってしまう様な、そんなはかなさを漂わせて、いるのは… 絶対、有休とりやすくするためのテクニックに違いない! …かな? 20140624-2

薔薇

 明日には花が咲きますよ。隣の和装のご婦人は言ってくれたけど、明日、私はここにいない。その赤いバラのつぼみは確かにもう開きそうではあったが。それでは、と挨拶して勝手口から家に入る。玄関に回ると荷物が届いている。小型の? 冷蔵庫、ああ、いや洗濯機くらいのダンボール箱。 …センタッキー・フライド・チキン。いや、別に思い付いただけ。ダンボール箱の中身は鶏肉じゃない。開けるのは後にして、ああ、実は開けようとして梱包してあるガムテープに爪を立てたんだけど、これが思いのほかしっかりと貼り付いていて、カッターでも探してこなきゃあならないな、とリビングに入り、あ、明日の用意がまだだと気付いて鞄を探す。ネクタイはいらないが、一応仕事で出掛けるのだから、と換えのワイシャツと下着を出してきて鞄に… そうこうしていて部屋の中を見回すと暗い。日も暮れてきたかとシャッターの雨戸を下す。2階の雨戸も、と階段を昇ると2階の廊下に先ほどの隣の和装のご婦人がいる。明日には咲きますよ。ビデオの再生の様に同じ動きでそう告げる。それでは、と挨拶し彼女を避け寝室の雨戸を、下ろす為に窓を開け、雨戸を閉める。後ろに気配。振り返ると、アタリ。隣の和装のご婦人がいる。明日には咲きますよ。ビデオの再生の様に同じ動きでそう告げる。それでは、と挨拶し彼女を避け下に降りる。荷物を開けなければ、中身は何か? 送り主は、送り主は… 私だ。先日池袋の家電量販店で、量販店で、何を買ったんだっけ? 大きな洗濯機ほどの… センタッキー・フライド・チキン。いや、別に思い付いただけ。ダンボール箱の中身は鶏肉じゃない。ワインセラー。ちょっと本格的なものだよ。24本収納できて… 玄関に回ると、荷物はすでに梱包を解かれている。ワインセラーはない。梱包材が散らばっているだけ。ミツオか? 息子が開けたのか? 私の荷物を勝手に? 後ろに気配がする。振り返ると隣の和装のご婦人がいる。明日には咲きますよ。ビデオの再生の様に同じ動きでそう告げる。それでは、と挨拶し彼女を避けリビングを出ようとする。リビングは暗い。雨戸を閉めて、灯りを、点けなかった? でも、見える。はがれた壁紙も朽ちたテーブルも、抜け落ちた床も。隣の和装のご婦人がいる。明日には咲きますよ。ビデオの再生の様に同じ動きでそう告げる。隣の和装のご婦人が。明日には花が咲きますよ。 …最早、もはや、モハヤ咲かないのは解かって いる。20140628-2

 子供に絵本を読んでやろうとしたら、絵本をとられてビリリと破かれてしまった。1歳にもならない赤ちゃんだから仕方ない、か? しかしこりゃ、困ったね。でも毎月送ってくる雑誌の様な絵本だから、まあ、いいか? 子供には一応「め! そんな事しちゃ、だめだよ」と少々怖い顔をしたけど… だめだこりゃ。笑ってるよ。ああ、いい笑顔で笑うなあ。そりゃそうだろう。本が大事なモノ、そんな感覚はまだないだろうし、紙を裂いていくあの感覚は、ああ、何とも言えない、“快感”だよね。 …ああ? そーいえばぁ、ムカシ映画で見た! 「ランゴリアーズ」? だっけ? 確か。ちょっと神経質そうな男性がレポート用紙? をビリリリリリリリリ… とゆっくり引き裂いてゆく、何枚も何枚も何枚も… あのシーンが心に残っているんだけど、ホントにあった? あったよね? ホラーな状況が、その男性を追い詰め、ビリリリリリリリリ… 心の安息を求め… ゆっくりと、紙を、裂いてゆく… ゆっくりと、ビリリリリリリリリ… と。ああ、ココロが。あ! そういえばどこで見た? 子供の頃? 昔の民家、ワラブキ屋根でもおかしくないような暗い家。だって玄関、入った? 俺、入ったんだ。入り口は板戸で、その先は土間だぜ。何なんだ? 奥に行くと、 …何歳ダッタッケ俺? より暗い、そして角を曲がると太い角材で組んだ20センチはある? 格子があって… 暗い、でも見える白い手が、格子の間から出てる、紙を、白い紙をピリリリリリリリリ… 裂いていく、ピリリリリリリリリ… 裂いて、ピリリリリリリリリ… 裂い あああ へんだよ 裂いた紙を手放し、次に裂く紙を手探りでさがす そのては おとなのひとにしても ながい ながすぎる 暗い中をぐにょーんとのびて ええ …あれは なんだったの? ねえ あれは なんだったのお? なんだつたんだおおおおおおおおおお 20140629+

プロフィール

Author:KU2
 改行が嫌いです。嘘とイイカゲンが好きです。…改めまして、FC2ブログへようこそ!

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