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心中

 最新の設備を備えたビルに入る。もちろん仕事で、だ。どこもかしこもピカピカで最高級で最新式。 フロアからエレベーターのケージに入り下りる階のボタンを押そうとすると、「何階を御所望でしょうか?」声がする。操作盤を探してキョキョロすると「下りる階をお知らせください、このエレベータには操作盤はごさいません。すべて人工知能、AIが制御しております。」 おおお! そうなのか! 15階を指示すると扉が閉まり、あの上昇する感覚が身体を包む。 2階で止まり扉が開き、ビジネスマン風の男が入って来て「12階」 エレベーターは応える。「モチズキ様、いつもご利用ありがとうございます。復唱させていただきます。12階ですね。モチズキ様、ゲージ内は快適でしょうか? 暑くはありませんか? 湿度は少し下げた方が…」「だまれ!」男はスマホから目を離さずに言う。気まずい沈黙、の後。「あ、ああ、アナタはいつもそうだ! 私がこれほどコレホドこれ程おおおおぅお!」上昇時のGが増す。ゲージ内の照明が非常灯に代わる。表示パネルの数字が狂った様に変化する。これから起こる事の予測は付いたんで身体を固定しようと… うあ! 手摺りも無い。ゲージの角に身体を寄せ、手のひらを壁に押し付け、そこで重力が逆? 数字は70で止まり、そして7秒後1になった。
 で、誰が語ってんのかって? 3人とも死んだのに。 …事故調査担当者のオレだよ。ゲージ内の映像記録と稼働記録は別系統で生きてたからね。それを再生して、やっと状況を確認した。そう、エレベーターを運行してたビル管理担当者のAIも再起動しなかった。死んだんだ。 …ああ、面倒見のいい先輩だったのに。20170701++
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Author:KU2
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