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サトリ

 山の中でちょいとシクジリをやらかしてしまって野宿する羽目になってしまった。まあ、スケジュール、行程計画はイイカゲンなモノだったから当然なんだけど、その分装備は十分なモノを持参してたんで、別に不安はなかったけどね。辺りが真暗になった時には、ちょうど良い場所も確保でき、小さいながら焚き火も作れて暖も取れた。この季節でもやっぱ夜は冷えるんだよね。スキットルから直接飲むウィスキーが身体の内側からも温めて… もう酔っ払ったのか? こんな山奥なのに、焚き火の向こうに小さな男が見える。「…小さな男が見える、と思っただろう」 なんだコイツ、俺の考えてる事がわかるのか? 「コイツ俺の考えてる事がわかるのか? と思っただろう」 聞いた事がある、これはサトリって人の心を読む妖怪だ。「そうだよ。俺がサトリだ」 うわぁ、まいったな、これって最後どうなるんだっけ? 「最後はどうなるんだっけ? と思っただろう」 ロクな事にならない予感が… 「ロクな事にならない、と思っただろう」 ああ、どうしようどうしようどうしよう、このまま心を読まれ続けて、あんな事やこんな事までダダ洩れになったら俺の心は壊れてしまう。「俺の心は壊れてしまう、と思っただろう。 …けど安心しな、俺はサトリじゃないよ。妖怪なんているものか。夜間登山の最中に焚き火を見付けたんでオジャマしたのさ。」 え? は? サトリじゃない? ならどうして俺の? 「あんた、単独行らしいが、下界でも独り暮らしが長くないか? 独り言がすごいぞ。気付いてないのか? サトリじゃなくってもあんたが何を考えてるのか、わかるよ。気を付けた方が良いかもね。 …じゃ!」 一方的に話を終えて小男は去って行った。俺が? 独り言? 考えてる事ダダ洩れ? あ! フラッシュバック! あの時、スーパーマーケットでの不審な目。通勤時のすれちがう人々の奇異の表情。あ、あああああああ! 俺は、ひょっとして、あの時もこの時も… ああああああああああああああああああああああうあ 20171028
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Author:KU2
 改行が嫌いです。嘘とイイカゲンが好きです。…改めまして、FC2ブログへようこそ!

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