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更年期後悔

 ムカシ、ばあちゃんから聞いた話。ばあちゃんの家は鍛冶屋、と言ってたけどそれは昔の話で、今言うトコロの鉄工所。工場に続いてある、工場の裏口からすぐ家の入口に続いていて、そのまんま家の裏口まで土間が伸びている、昔の商家。そこの2階にばあちゃんの部屋がある。2階にはばあちゃんの部屋だけしかない。階段上って引き戸を開けるともうばあちゃんの部屋。
 ある夏の夜遅く、ギシ、ギシ、ギシ… 階段を誰か登ってくる気配がする。部屋にいて寝る支度をしていたばあちゃんは、あら珍しい、誰が上がって来るんだ? と思ったらしい。そんな夜更けに誰か来るなんて事、めったにないから。でも途中で、ギシ、音が止まってそのまんま。上がって来るにしろ下りるにしろ音はするはずなのに。で、翌日知ったのさ。仲の良かった同世代の友達が、ちょうどその時間に死んだって、最後のお別れを言いにきたのかね、間に合わなかったのかね。 …ばあちゃんが言ってた。
 で、今。もうジジイになった私がツラツラ考える。ガキの頃はビビりの、ヨワミソの臆病者だったけど、この話、不思議と怖いと感じなかった、思わなかった。ただ、あ~、そーゆー事もあるんだぁ、と思っただけだ。なぜだろう? ひょっとして… 今ならわかる、心当たりがある。死ぬその時、会いに来てくれる友達も、会いに行きたい友達も… いなかったから。もちろん今も。リアリティがないんだ! 私には! この話。 …少し、今までの生き方を後悔する。20171112-2
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