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泥の男

 旅人が行く。季節は… 春・夏・秋・冬? 聞き忘れてしまった、わからない。場所は、ただっぴろい湿地帯、ヒトケの無い場所。長く続く板の道、そこをただ独り、歩く。 と、声が「たぁすけてくれ~ 助けてぇくれぇ~」 旅人は辺りを見回し板の道の先、道の脇に人の上半身を見付け先を急ぐ。たどり着いてみると、泥だらけの男が1人、泥沼に腰まで沈んだ状態であがいている。大丈夫かねと声をかけると「ああ、この通り、あまり大丈夫じゃないんだが、すまないが手を貸してくれないかな、ここから出たいんだ。」 旅人はあまり深く考えずに男に手をさし出す。男はその手を握り「えいや!」と力を込め泥の中からその身を抜く。しかし、入れ替わりに旅人が泥沼に… 「いやすまない、助かったよ」男は泥を落としながら旅人に話す。「すまない。俺の命の恩人を助けてあげたいとは俺だって思うのだが、アナタがせっかく助けてくれたこの命、大切に使おうとも思うんだ。先も急ぐし。 …でも、どうしたらいいかはもう、わかってるだろう?」 男は行ってしまった。泥だらけで泥沼に腰まで沈んだ旅人はあがくが泥沼は旅人を放さない。旅人は助けてくれぇ~、叫び始める。 え? 私が聞いた相手は、旅人か男か? だって? そりゃわからない、旅人を助けて同じ事をして助かった別の男かもしれないし。だからそこには今も泥だらけの男が…
ええ? 女は旅しないの? だって? (T_T#) …ああ、そうだね、昔はめったにね! 20171228
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Author:KU2
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