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夕餉

 仕事を終えて家に帰ってくる。自分で鍵を開けて玄関に入る。ただいまと声をかけ、リビングに入りカバンを置く。台所に奥さんがいる。「おかえりなさい」ガステーブルに掛けた大きな深い鍋を見たまま、奥さんは応える。グツグツと何かを煮る音がしている。ネクタイを緩めながら台所に入り、奥さんの横を通って換気扇のスイッチを入れる。ファンが回る音がして、すごいニオイが少し… 薄まるといいなと期待する。とても食べ物、と思えない、と言うと語弊がある。絶対食べ物でない煮込まれているナニカ… 知りたくないし、知った所でどーなるモノでもないから奥さんには聞かない。 さあ、今日はもういいだろ、ガスを切るよ、奥さんがうなずいたのでガスを切る。お弁当を買って来たから食べよう、背中を押しながら台所から一緒に出る。リビングにもあのニオイは漂っているが、我慢できないほどじゃない。帰宅途中のデパ地下で買って来た松花堂風弁当とペットボトルのお茶2つ、テーブルに並べて夕食が始まる。「いただきます」奥さんが言って、いただきます、と私が応える。まだいくばくかの明るさが残る窓の外、庭木が揺れたので見ると大きなカラスが留まり辺りを見回している。奥さんがカラスに向けて「がぁ」と言うが窓の外では聞こえない。 20180525-2 
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