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夢魔の挟撃

 まだ幼い息子と2人海を見ている。曇天の下、海岸に打ち寄せる波。海藻、木切れ、あ~あ、ペットボトル? 様々な漂着物が波打ち際の少し上の所に溜まっている。今は引き潮の時なのかもしれない。辺りに人はいない。私達親子だけ。「太古の昔、生命は海で生まれ陸に上がって来たんだ、最初に植物が、やがて節足動物が上陸をはじめる」息子に語る知識はこのために仕入れた即席のモノ。でもそれで息子が学問に勉強に知識欲に目覚めてくれれば… そんな思いで語る生命進化のエピソードを静かに聞く息子。「そして、いまから約6500万年前、人類の祖先である霊長類がアフリカで誕生したんだ」 あんな風に? 息子が指さして、あんな風に上陸してニンゲンになったの? 指差したモノから視線をそらさずに言う。 私の背後の波打ち際。振り返るとそこには… 息子の手を引き駆け出す、防風林の方、陸地へ全速力で。海から来たモノ、引く波に逆らい、寄せる波に押され、それは意志を持ちこちらに進んでくる。ピンクの巨大な顔? に見えない事もない部位に付いた触手の様な手? 足? ああ! いや、何と表現していいのか? 「いや、違う。最初に上陸した生命はあんなに大きくはない。それに多分あれ程も悪魔的では…」 バカ、喋ってる場合か! 逃げる、急ぐ、触手が宙を切る音がヒュウとする。それに悪意と殺意を感じる。防風林まで… 父さん… 手を引かれ走りながらも、冷静な息子が言葉を続ける。父さん、これは夢だよ。ああ、そうかも知れない、こんな事は夢に違いない。 けれど… 息子が続ける。そうなんだ、問題は誰の夢か、なんだ。どんな目にあっても夢見てる人は起きるだけだけど、そのほかの人は… オシマイ。 だいじょうぶ、これは… お父さんの夢だよ。硬化した触手の先端が、息子の熱い血飛沫が私の頬に、でも 20180617+
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Author:KU2
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