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玄冬

 あれ? アレどこに置いたっけアレアレ… って捜してると捜してるモノが何だったかも忘れて、ああ歳はとりたくないな、となってしまう。で、鍵から財布から大切なモノ全てに極小のチップを貼り付けてナンデモ捜せるってシステムを導入した。 まあ、ホントは娘が設定してくれたんだけどね。妻が逝って2年、独り暮らしにもなれたけど、ズボラはナカナカ治らないから。「財布ちゃんどこにいるの? おしえて」と声に出して言うと、この“ちゃん”がキーワードね、これでシステムが起動する。オーグメンテッド・リアリティ、拡張現実対応ヘッドセットを付けてると失くしたサイフの守護天使(つまりチップ)が「え~ん え~ん、ワタシはここよ。早く見つけて」泣きべそ顔の小さな天使が登場して案内してくれてクローゼットを開けると昨日きた上着のポケットを指し示す。で、めでたくサイフ発見、ってワケ。でも、このヘッドセットを失くしたら… なんて昔の漫才師じゃあるまいし、いまの眼鏡型のヘッドセットは朝から晩まで、寝てる時以外は付けてるし、もし失くしても固定電話に設定したボタンを押すと音と光で教えてくれる。
 そんなある日の午前8時頃、リビングでボケ~っとしていると「え~ん え~ん」と声が聞こえる。え? ナニを失くしたっけ? でも設定してない男の子風小さな天使が現れて案内を始める。ついて行くと2階の寝室に… 何なんだナニを忘れた? それも忘れちゃったのか? オレ。 と、天使が案内するのは私のベッド。「ここだよ ここだよ。ボクはここ… 」ベッドには… ? その時、施錠してたはずの玄関が開き、どたどたと足音。寝室の扉が乱暴に開けられ、娘とイカツイ装備の男が2人。そーいや、さっきまで救急車のピーポ音が… 「おとうさんっ!」 あ、そーゆーシステムかぁ。なくしたのは私じゃなくて、娘か… なくなったのが私… 20180908-2
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