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イスルギの1

 職場で2人、出勤して来なくなった。1人は勤務中に頭を抱えてしゃがみこんじゃって、何か空耳のようなモノが聞こえているらしいんだけど… って話を同僚から聞いた、ノイローゼか? もう1人は、突然、出て来なくなって理由はわからない。ダレカさんは、ココ呪われてんじゃないの? オハライした方が良いかな? みたいな事を言ってたけど、 …そうなのか? 
 ある日、独りで残業してたらイスルギがやって来た。大学時代の知り合い。「おばさんに聞いたらココだって教えてくれたんだけど、 …オマエすげえトコで仕事してんな」事務室に招き入れるなり、回りを見てひでぇな、ってな感じで言った。「なんだよ、金ならもう少し、待ってくれよ。二十日が給料日だって、言ったじゃん」 まだ辺りをキョロキョロしながら、「ああ、それは、まあ、後で… 」なんか、ココロここにあらずで、上の空。しばらくして「じゃ、オレ帰る。で、イチオウな、忠告。おまえにも見せとく」ニヤ、とイヤな笑いを浮かべて俺の手を握る。「ナンだよ! キモチワ…」 「ル」が出なかった。言葉が続かない。俺達2人だけ、と思ってた事務室は黒いシーツを被ってオバケの仮装をしたアホウどもの集団? が部屋の中をうろついたり、つっ立ってたりが、ボヤッと見えた。あ~、ひょっとしてあの2人はコレを… イスルギガ手を離したんでソレは消えたけど、コシがヌケてシリモチついた。オバケ… 知らぬ間にツブヤいた。
 あの日イスルギがなんでやって来たのかわかんない、二十日にもやって来て3万円取り返してから言った。「おー、まだ辞めてないんだ、根性あるね」 根性なんかない、ここを辞めたら俺があっち側になっちゃいそうで怖いんだ。「アレ、祓えないのか?」 奴にタメイキつきながら聞き返す。「もう無理だ。 それにアレはこの国のどこにでもいるぞ、そこにもいる。たまたまここは密度が濃いだけだ。祓っても散らしても、もう…」 「どうしたら良い?」「田舎に引越せ、回りに誰もいないトコで自給自足がベスト」 無茶な事を言う、もうダメだ、って事じゃないか、俺にとって。 じゃあな、オレ今から岐阜に行くんだイスルギはデカいキャリーバッグを転がしながらサヨナラと言った。あれから35年経つけど奴とは会ってない。岐阜で農業? アイツが? 信じられない。20190125-2
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