FC2ブログ

それから

「初めまして。よろしくお願いします」「こちらこそ、初めまして。よろしくお願いします」「ああ、そっくり! 声も喋り方も!」「ホント、そっくり! 声も喋り方も!」「 …マネしんぼ」「マネしんぼ。フフッ」 漫画なら左右対称の駒の中にこれまた左右対称に配置されたソックリなキャラのバストショット、吹き出しの形も左右対称… ってなイメージだけど現実は少し違う。私が喋ってる相手は身長20センチのロボット端末。私用に調整された汎用情報支援機器。このサイズでは身体的サポート、歩行の介助や物品の移動などは無理だが、話し相手や電話の取次ぎ、情報検索や趣味の共有、知的生活面のほとんどをカバーする相棒、と言うより正確には… もう1人のワタシ、人格複製回路が組み込まれている。50歳から全国民に貸与され、生活を共にする事で各自対象者の記憶感情性格の情報をコピーし、AIの精度を向上させ、“その時”に備える。認知症などの障害が出た場合でもいち早く発見でき、即時対応が可能となった。症状が進んだ場合でも、私を介護するのもワタシなわけでトラブルも少ない。失われた自分を補完する、そんな機械。介助が必要となれば人間サイズの機体に換装する事も出来る。これで理屈の上で、孤独死は無くなった。 そして、この、本当の最後の最後の時が来たら、ワタシが私を見送ってくれる。様々な死後の法的処理手続きもワタシがする。家族や家庭がとても珍しくなった多くの人が単身生活を送るこの時代、こうして人は一生を終える。 …でも、それから、その後、わたしはどうなるんだろう。かすかな、ほんのすこし、ではあるが、小さな、小さな、小さな、不安の種は、消えない。20190406+
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

プロフィール

Author:KU2
 改行が嫌いです。嘘とイイカゲンが好きです。…改めまして、FC2ブログへようこそ!

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR