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消店街

 ある地方の商店街に一人の男がやってきた。男は定年退職して年金暮らし、ヒマがあっても金はソコソコ、持て余した時間と体力を何に使おう? どうやって社会に貢献しよう? って考えてる男だった。で、始めたのがクレーマー。路上に出した看板、停められた自転車、はみ出た商品棚すべてにクレームを付けた。口だけじゃなくて実力行使も行った。歩道にはみ出たものは強引に店内に押し込んだ。店主といさかいが起きた。警察も呼ばれた。男はマッタク完璧に法的に正しい事を主張した。そして、その主張のせいで商店街の人々は怒り苦しみ不快になって客足も遠のく結果となった。商店街は寂れた。ある夜、商店街を自称パトロールしていた男は背後から鈍器で殴られ重傷を負う。目撃者は0、誰もいない深夜だった。恨みを持った者の犯行、のセンで捜査がされた。殴ってやる! ぶち殺してやりたい! という人間は多かったから。で、刑事が商店街の防犯カメラの映像の提供を申請したが、店主全員が拒否した。法的に提供する義務があるなら仕方がない、けど任意の協力ならお断りする、と。ある店主は「あれ、ダミーだよ」と主張した。協力的な態度をとった店も「ああ、ちょうどその時HDの交換をしててね、その日の記録は無いんだ」と言った。口裏を合わせたように。警察も捜査の手を抜いた、訳ではないが依頼以上の力の行使はしなかった。かくして事件は迷宮入りの様相を呈し、犯人は今でも捕まっていない。 …こうして関係者のほぼ全員が ―犯人を除いて― 法を逸脱しない順法的状態でありながら正義は執行されず、その商店街は物騒な場所、と住民に認識され… より一層寂れていった。誰が悪いんだ? どこがヘンなんだ? どうすればよかったんだ? 20191101-2
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Author:KU2
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