FC2ブログ

人間の家

 もう戻る事は出来ない。家にいてわかった、わかってしまった。休みのたびに出歩いて色々なトコに行って色々なモノを買って… でもそれは本当に必要なモノじゃなかった。あってもいいけど、なくてもいい、どーでもいいモノだった。 …それがわかってしまった。美味しいモノを食べる、身体にいいモノを飲む、ソレだって、それ自体を楽しんでいなかった。美味しいモノを食べてる自分、身体にいいモノを飲んでる自分、どう? 良いでしょ? スゴイでしょ? 私って価値あるでしょ? 見て! 褒めて! 認めて! 肯定して! 私をチヤホヤして!  …今考えると恥ずかしい。それは、本当にどーでもいい事だった。どーでもいい事をして、どーでもいい事を考えて、どーでもいい暮らしをしていた。それに気付いてしまった。今度の事を、多くの人は“災い”と捉えているかもしれない。でも、私にとっては目覚め、“覚醒”のキッカケだった。陳腐に聞こえるかもしれないけど、本当に一度だけの人生、私は私が生きたいように生きる。だから、私の服も、カバンも、アクセサリーも、その他の持ち物も全て処分した。 そして、アナタも。今までアリガト。それなりに楽しかった。でも、これからも、ってワケにはいかない。だからサヨナラ。 「 ―って、これだけ?」 おじいちゃんはうなずく。驚いた様であり、悲しい様であり、怒っている様な、まあ、何時もの無表情に少しばかりオロオロが入った顔をして突っ立っている。「 ったく、いい年して! 息子には何のハナシもなしか!」母の書置きをグシャと握りつぶす。早朝の電話で呼び出された俺はこれからのメンドクサイモロモロの事よりも、家で待つ妻と娘にどう説明するかで悩んでいた。20200501+
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

プロフィール

Author:KU2
 改行が嫌いです。嘘とイイカゲンが好きです。…改めまして、FC2ブログへようこそ!

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR