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むじな 無間事態な

 深夜、そうなんだ。まだ深夜勤務があった頃の話。館内1階フロアに利用者はいない。入口の自動ドアが開いておじいさんが入ってくる。「こんばんは」挨拶をする。「はい、こんばんは。 実はこの本をさがしているのですが…」カウンターに近寄りメモを見せる。システムを「蔵書検索」に切り換え、メモの書名を打ち込む。5年前、の本、か。 …書庫にあるな。「はい、この館に所蔵してます。書庫にありますから、今持って来ますね」と言って書庫に行き、本を探してカウンターへ戻る。おじいさんに渡すと他にも借りるからと本を受け取り一般書のコーナーの方へ去っていく。おじいさんが書架の角を曲がるとすぐに入口の自動ドアが開いておじいさんが入ってくる。え? それでも「こんばんは」と挨拶をする。「はい、こんばんは。 実はこの本をさがしているのですが…」カウンターに近寄りメモを見せる。システムを「蔵書検索」に切り換え、メモの書名を打ち込む。 …同じ書名、だから書庫に在庫、と出る。さっきのおじいさんにはまだ貸出していないから、システム上は在庫、有る事になっている。でも嫌な予感がしたので「はい、この館に所蔵してます。書庫にありますから、今探して来ますね」と言って書庫に行き、有るワケない本を探す。 …あった! 本を持ってカウンターへ戻る。おじいさんに渡すと他にも借りるからと本を受け取り一般書のコーナーの方へ去っていく。おじいさんが書架の角を曲がるとすぐに入口の自動ドアが開いておじいさんが入ってくる。え? えええ? それでも「こんばんは」と挨拶をする。「はい、こんばんは。 実はこの本をさがしているのですが…」カウンターに近寄りメモを見せる。システムを「蔵書検索」に切り換え、メモの書名を打ち込む。 …同じ書名、だから書庫に在庫、と出る。さっきのおじいさんにもまだ貸出していないから、システム上は在庫、有る事になっている。でもどうなるかわかっているので「はい、この館に所蔵してます。書庫にありますから、今探して来ますね」と言って書庫に行き、無いはずの本を探す。 …ある。本を持ってカウンターへ戻る。おじいさんに渡すと他にも借りるからと本を受け取り一般書のコーナーの方へ去っていく。おじいさんが書架の角を曲がるとすぐに入口の自動ドアが開いておじいさんが入ってくる。 …嫌だな。長い夜になりそうだよ。その時はまだ悠長にそんな風に考えていたんだ… 20200928-2
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