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消滅

 最初は「人が消えた街」なんて特集で感染症拡大を防止するための外出禁止で人がいない町の画像や動画が多く流されたのをポテチ食べながら見ていた。ホントに人は少ない。時々凄い人の波! 的なモノには「去年の映像」とか「昨年の動画」なんてキャプションが入った。 ああ、アレだけたくさんいた人達はどこに行ってしまったのだろう? と考えてた。まあ普通なら自宅かそれに類する場所にちゃんと納まっている、と考えるのが普通。でも、違った。ホントにヒトが消えていた。最近ハナシを聞かない、見ない、会わない、連絡が取れない、家はモヌケの殻だった。みたいな事件が多発した。あのムカシの都市伝説? マリーセレスト号事件みたいに食べかけの食事、点いたままのテレビ、なんてハナシが飛び交って、でもそれは単なるウワサだった。料理中の消失での火事や運転者蒸発の自動車事故が起きてないのは、そんな状況で人間消失が起きていない事の証明。と言う事は逆に人間が消えている事は事実だった。非常事態宣言が解除され、街に都市に観光地に人が… 戻ってこなかった。職場で学校で地域のサークルで、再会した人々は無事を喜び合ったが、“いない人”の存在に恐怖した。人間が消える、その原因も兆候も、全ての事がわからないままだった、調査しようとするその意識が“消失”の原因だ、とのウワサも流れた。だから誰も、この事について調べようとはしなかった。いや、調べた人もいたのかもしれない、でも… こうして、どれだけの人が消えたのか、どうしたらいいのか、わからないまま、人はそれぞれにその意味を自分の中に取り込み、受け入れていった。 神罰? 天災? 超自然的現象? 宇宙人侵略? … パニックは起きなかった。パニックを起こすと消えてしまう、そんなウワサも流れたから… そして事実パニックや恐慌は起きなかった、確認する術はないが。少なくともマスコミでそのような報道はなされなかった。 …こうして、人と人の世界は静かに消えようとして…  「ママァア! どこなの! どこいっちゃったのおおお!」窓の外で声がする。近い、すぐそば! 慌ててカーテンを開け鍵を外し窓を開けシャッターを上げる、6月午後2時の大陽が暑いほどで、でも家の前の道には誰もいなかった、日が傾くまで首を伸ばして外を見続けたが、道を歩くものはなかった。それからも。20200506-3
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Author:KU2
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