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時間

 ムカシ警備のバイトをしてた。「警備」って言うとカッコいいみたいだけど、まあ正直に言っちゃえば「留守番」なの。一定時間ごとに巡回して記録を付けて異常なしでOK。異常があったらしかるべきところへ連絡して、後は必要なら逃げろ、と教わった。通報の義務はあるけど、侵入者や泥棒と戦う義務はないの。ケガや死んでもウチの会社は保証しないからねっ、とも言われてた。まあ、私がしてたバイトだからね、そんなトコ。対人接客能力に問題があるニンゲンにとってこれほど楽な仕事はない。ただ、時間をどう潰すのか、退屈な時間を耐えて朝日を拝むまで起きていられるか、が問題なのだった。
 で、ある夜、都内の片側2車線の道に作られたシマに詰めてた時、シマってのは道路の中に作られる作業区域の事。道路を川にたとえれば作業区域が中洲の島に見えるから、と教えてもらったんだけどね。まあ、そこにいたのさ。夜、午前2時。巡回時計、指定の場所を巡回した記録を残す機械なんだけどね、それをぶら下げて巡回をしていて、作業中のマンホールのはしごを降りて、降りて、降りて、降りて… あれ? こんなに深かったかな? もうとっくに下に着いていい頃なのに。で、降りて、降りて、降りて… 変だな? 一旦上がろう、と思って何段か上がると、首根っこ掴まれて引きずり出された、マンホールから。「なんだ!おまえ」作業員から問いただされても何の事だかわからないのはこっち。でも、すでに日が高く、アレ? 巡回開始は午前2時だったよね? それがいま午後2時… とわからん事ばかりだったけど、クビになってしまえば、どーでもいいや、だった。 …でも時間が、ヘンだったあの時の事は、耐えなければならないハズの時間が飛んじゃった事については… ああ、考えたくないからそのまま。20161012-3

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