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邂逅

「君は、君はその… 今までに酷い目に合わなかったかい?」職場で、残業で2人だけが残った時、思わず訊いてしまった。「なにか、とんでもなく酷い、残酷な、絶望的な、怖い目に… あった事は、ない?」聞いて後悔する。私は入社3年目、彼女は今年新入社員として配属された新人。私はネクラと言われ、対人関係には多少問題ありだけど、社内で進めている新システム移行に有用な知識と資格があると言う事で採用されただけ、彼女は今、この部署のムード‐メーカー。私が「あれ、居たの? 影薄いなあ、大丈夫か?」と言われるのに比べ、彼女は「どーしてアノ子、引張れなかったんすかっ!」と他の部署では課長がつるしあげ、イヤ、ホントらしい。そんな彼女だけど、まるっきり私と違う彼女だけど、私はどこか同じ何かを彼女に感じていた。でも、聞いてはいけない事だった、のかも「AC? ですか」 あああ、やっぱり。聞かなければよかった。「先輩も、ですか?」うなずく。口に出しては言いたくない。やっぱり。彼女と私はあの時、同じ恐怖と絶望を受け止め、同じ怒りと悲しみを感じ、同じ達観を得た。あの、私達がまだ幼い頃、想像を超える大規模災害とそれを予知しながら何の手立ても施さなかったあの特殊な施設の被害は我々を… 「なんてこった! まだ残っていたのか。本当に君達は働く事が好きなんだなぁ!」突然現れた上司は驚いた顔を笑顔にスライドさせて「さあ、モトコ君、女性が独りで帰れる時間じゃない。私が送ろう。タチバナ君は…」「はい大丈夫です、私はもう少し残りますから。」私の返事を背中で聞いて上司と彼女は去って行く。仕方ない、彼女もACと解ったからには彼女との未来は無い。生まれてくる子供の不幸の確立が72%、それに常に相手の瞳にあの時の恐怖を見るのだ、耐えられない。私達は理解者として同族を求め、しかし生まれるであろう子供の為には、共に生きることはできない。
 A CHILDREN-15年前のあの大災害、私達の国がなくなり、国名は元在った場所、土地の名前に過ぎなくなった時、世界に散らばった難民の中にいた我々。同類から、元同国民からも疎まれた僕達、あの大天災の中、人災の洗礼を二重に受けた私達。資源の少ない我が国の未来を支えると言われた施設から漏れ出した、アレのせいで! …いや! 嘘だ! うそだあああああ! 現実を現実を現実を直視しよう。それはホントだが、俺の体重が110キロなのだって振られる立派な原因だ、絶対。20130726-2+
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