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かたわら

 近所の公園で秋の気配を感じていると、正確には公園のベンチに座って、する事ないんでボケ~ッとしてると、子供がキャアキャアうるさい。視線をそちらに向けると、子供達をコーフンさせている存在がいる。古ぼけた黒いマントを着た男。 …男? 性別はわからない。 なぜか? そいつは子供達に「いない いない ばあ」をして回ってるんだけど、両手で覆った顔を「ばあ」で見せる時、みんな違うんだよ、顔が。ある時は老婆、次は青年、次は老人。「ばあ」を見せる子供によって顔が変わるんだ。 …あれ。人外、ニンゲンじゃないな。めんどくさいモノ見ちゃったな、そう思ってると、奴もこっちに気が付いて… 子供相手の遊びを止めて… うお! 俺の座ってるベンチに、こっちに来たよ! で、隣に座って、「コンニチワ」 しゃ、しゃべったよぉ! 
 んで、話を聞くとね。やっぱり“人外のモノ”だったんだ。そして、奴が「いない いない ばあ」で見せる顔は、メインで見せる人の死の間際に、一番近くにいる人の顔なんだって、話してくれた。つまり若い女の人の顔、だったら、「ばあ」をされた人が死ぬ時、一番近くにいる、看取ってくれる人はその若い女性、娘か、息子の嫁か、まあ、看護婦さん、って事なんだね。
 だからお願いした。俺にも「いない いない ばあ」してよ。俺、年寄りだけど、年寄りだから、死ぬ時誰がそばにいるのか知りたい。奴は少し困っていたが、「いない いない…」やってくれた。ああ、人外のモノもヤサシイねぇ…
 「ばあ」 俺が奴の顔として見たのは… 太い毛で覆われた牙を持つ顔… あれは、イノシシ… 「はあ…」 でも、そんなに驚かなかった。ヤッパシ… ね。ってとこ。
 俺、サイゴは富士山麓の樹海にでも入って… そんな事を考えていたから、実は。ああ、ヤッパし、俺行くのか、樹海に、行くんだ。 …しかし、イノシシかぁ… そいつは俺を食べ物、と見て近づくのかな? あああ、それはちょっと、ナンか、う~ん、ヤッパなんかイヤだ… ケド…
 でも、俺の死に際を看取るのがイノシシ… アハハ… ハア、秋の高い空を仰いで、今はまだ、少し笑ってしまった。20151023-4+
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