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ターミナルメン

 戦場から帰ってきた人の心的外傷がすごくて、それなりの治療を施さないと、もう普通の生活が出来ない、って話をどっかで聞いた事がある。う~ん、そりゃそうだろうなあ。こっちの世界じゃ「やってはいけない事ナンバー1」な事をどんどんやれ、もしくは命令に従って効率的に実行せよ、だもんなあ。そして相手、敵対する側も同じ様な命令を受けているんだから、ヘタすると「やられたらイヤな事ナンバー1」をされてしまうんだ、この身体に。ストレス溜まるよなあ、変になるよなあ。
 そこで、私は考えた。その心の負荷を軽減するために特殊なスーツを作る。ああ、そう、パワードスーツ強化外骨格的な? そーゆー筋力倍加装置や防弾装置ではないの。まあブッチャケて簡単に言えば「テレビのモザイク」発生装置みたいなもの。このスーツのカメラでとらえた外界の映像がVRヘッドセットに投影されるんで。直接外界を見るワケじゃないんだけど、今の技術だとソレと何ら変わらない。裸眼と眼鏡使用者の違いより違和感は少ないんじゃないかな? そんでこの装置、戦闘時に心的外傷を起こしそうな外界の状況をコンピュータが感知するとモザイクをかける。ここら辺のソフトの能力の方向性が難しい。ただモザイクをかけるんじゃなくて戦場の状況は正しく伝えなくてはならない。ただ心に傷を残す様な画像は排除しなくてはならない。このアンビバレンスな課題をどう解決するか、そこが問題となるんだね。で、血しぶきがドバ! って時にはバラの花びらが踊る、人が死んだら、死体は消えて、白いスモックを着た状態になって頭上に丸型蛍光灯状のモノが浮かんで背中から小さな羽根が生えて… で、ゆっくり空に昇ってゆく、そんな映像が合成されるの透明度50%で。兵士個人の思想信条好みに合わせて、敵側を悪魔や侵略異星人にする事も出来て、そんな風に表現されているなら、まあ死んだ状態もそのままでいいかもしんない。つまりこの場合、生きてる状態の敵を凶悪に表現する事により殺傷した時の罪悪感を減少させるわけ。良心の呵責無く銃の引金が引けるんで生存確率も上がる? おお! 良い事ばっかり! こうしてPTSD、心的外傷後ストレス障害は減る。当たり前だ、私の思考は完璧だ、これが一番有効な手段なんだ! 
 でも、私の考える事は完璧だが、それを悪用する奴の事までは知らん。兵士のストレス軽減のために考えたシステムだが、これを戦意高揚、殺傷率、任務遂行能力の向上に生かそうとするバカが出て… そう殺傷の度に、任務遂行の度に、快楽中枢を刺激する様にプログラムし直したんだな。どうなるかって? 「電子頭脳人間」 知らない? マイケル・クライトンの「ターミナルマン」って小説が原作の映画なんだけど… 1974年のアメリカ映画… そうさ、みんな殺人が快楽となって… 歴史は繰り返すんだ。最初は作り事で、次は現実に… 20151109-2+
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Author:KU2
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