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迷宮

 ぎ★▲@! 地元じゃ有名な心霊スポットの廃病院の中で悲鳴にならない悲鳴をあげたのは、ハイ、俺です。カジの野郎が向けた強力懐中電灯、レプリカのマグライトの光の先に白いワンピースの女性の後ろ姿が病室の隅にうずくまっていて、急に立ち上がりそして振り返った女の顔面には両眼と口に当たる場所に大きな虚ろな穴が開いていて、ああ! あれ、まだ悲鳴が続いてる? ああ、よかったぁ、あの声はカジだ。キャハハハハ! 女みたいなヒメー出しやがってぇ! キャハハハハァ! 廃墟の障害物が多い廊下を走って逃げながら、オレは笑った。さっき昇ってきた階段を駆け下りる。ロビーってか待合室? に出たら右に曲がれば入ってきた正面玄関が… 外に出たら、カジのヴェルファイアに乗って… ない? 玄関がないっ! そこには階段があって、さらに下へと道は続いている。迷ってるヒマは無い、その階段を駆け下りて、右に左に曲がり、しかし時折ある窓から外を見ると、4階以上の高さだぜ、なんで? 確かに階段は1階分しか上がらなかった、んが、もう4階分は駆け下りた、なのにっ! 
「おい! ハルっ! とまれ、ウシロはダイジョブ、誰もいない」カジの声でその場にへたり込む、もう限界。もう一歩も走れん。誰だ、こんな所に来ような… あ、俺だ、黙ってよ。 「でも、変だぜ、ここ。階段が」俺が息も切れ切れに喋ると、「ああ、変だな。でも明るくなったら、窓から出る。縦樋、垂直な雨どいを、伝って下へ降りれば、大丈夫だろ」おお! カジ! 賢い! さすが建築業関係者!
 で、結局俺達の持ってる時計で6時間待っても夜は開けなかった。あれから、白いワンピース女に10回遭遇して、逃げ切って、17~8回目で数えるのを止めた。もっと変なモノも見た、超肥満体の巨大ニンゲン? が密集する部屋。毛髪、長い黒髪が生えている天井。頭全体に包帯を巻いた白衣の、医者? でもその頭がヘチマのように長いんだぁ。 …なんなんなななんだ! ここはぁ!
 こうして、何時間、いや何日。考えたくないけど何ヶ月が過ぎたかもう解らない、アレ?  …何年? 夜は明けなかったが雨どい脱出作戦は決行して失敗。いくら下がっても下に付かないんだ。んで、あれから俺達はナニカから逃げているか、ナニカから隠れているかのどちらか、餓死する事も睡魔に襲われることも無く。そしてこれは多分こうじゃないかな? 俺達のオチイッタ状況、閉じた世界は外から見ると… あの、地元じゃ有名な心霊スポット、廃病院。2階以上の階で、ナニカから逃げ回る様な走り回る音が、聞こえてくる、なんて。はは、あああ! ミイラ取りがミイラって、こゆこと?
 って書かれた、手書きの手帳を拾った。汚い字で、読むのに時間がかかったと言っても20分もかかんなかったけど。確かに閉鎖された廃病院の前で拾ったが、そこは池袋。しかも繁華街の中だ。ここに書かれた地方の病院… 地元? いやいやいや、これは誰か、“モノ書き”のアイデアノートがイタズラだな、絶対、ゼッタイそうだ、と思う。ああ、だから、拾った時、 …走る靴音、追いかけて来る足音なんざ聞こえなかった! ゼッタイ… 20151108-3+
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Author:KU2
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