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追撃者

 道を歩いている、ゆるい坂道、そこを上ってゆく。さっきから潮の香りがする、この坂を上り切れば海が見えるはずだ、もうすぐ。やがて上り道は終わり下り坂となる。海も、見える、けど… 海岸が騒がしい、ここまでかすかではあるけど人の騒めきが、拡声器の声も聞こえる。そして見える、巨大な魚? ここからだから全体がやっとわかるスケール。あれ? クジラ? でも、クジラって、あんなにデカい? 恥かしながらクジラの現物を見た事は無い。そして弓状の海岸線の5分の2近くを占める巨体、それはもう、怪獣? そしてそれは生きていて、上陸の意思を固めているみたいだ。ゆっくりとだけれど不格好で巨大な頭? らしきものを陸地に向け、ヒレの様な足を動かしている、ゆっくりとだけれど。この辺りでやっと、拡声器の声は海岸の人々に迅速なる避難を呼びかけている、と気が付いた。怪獣は重力方向にかなり不自由な体型なので、つまりひらべったいので、その存在にまだ気が付かない人も多いのだ。小高い坂のてっぺんで足を止めてこれを見ている私は、怪獣の動きはゆっくりだし、距離はあるから安心して見ていられると思っている。でも、ナニか、変だ。不安が残る。ナニが… しばらく見ていてわかった。怪獣はまっすぐここを目指している。正確には、私を目指している。あのスピードとこの距離なら、だいじょうぶ逃げ切れるとチラと思ったが、Uターンしてもと来た道を走り下りながら、アイツはあきらめないだろうな、私を追い続けるだろうな、そうなるといつか… ごくりと喉が鳴り、飲み込んだモノは重かった。けど… 目が覚めた。自宅の寝室で、いつもの様に。はは、当たり前。夢さ、夢に決まっている。 …遠くで微かにサイレンが鳴っているけど。20160214-2+
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