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「お孫さんでもいらしてるんですか?」 金曜日の午前中、町内会費を集金に来たタケチさんが玄関でそう言った。いえ、誰も… と答えると、え? でも今… とゴニョゴニョ言いつつ天井を見上げる。まるで2階の部屋で子供が走り回る音がしているかの様に。
 気まずい沈黙が数秒間、その後「あ… では半年分3千円、お預かりしました。」と会費と引き換えに領収書をさし出してタケチさんは帰って行った、首をかしげながら。
 わかっている。ウチに来る人はみんながみんな、全員が「小さいお子さんがいらっしゃるのですか?」と聞く。2階や玄関近くの和室、リビング、家中を走り回る小さな足音と黄色い喚声がみんなには聞こえるらしい。でも、私には聞こえない。私には、私以外だれもいない室内に耳が痛くなるような静寂があるだけ。なぜならば、独り暮らしだから、訪ねてくる者などいないのだから。
 そう、私はこの状況を受け入れている。受け入れざるを得ない。これが私の過去に犯した間違いへの罰だから、これが私の罪の結果だから。 20161017-2
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Author:KU2
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