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風が吹く

「おつかれさま。君たちの仕事は明日からキシネさんたちが引き継ぎます。」ライヨンさんはそう言って、タムキさんたちを追い出しました。ここはドウツブたちの国、ある施設でのおはなしです。
 今までロクな予算も人員も与えず、長期的な見通しも無いその場の思い付きの企画を押し付け、それで効率を上げろ、仕事量が少ない、給料泥棒と言われながらも誠心誠意働いてきたタムキさんたち。でも約半分の給料で働く約束をしたキシネさんたちにとって代わられたのです。タムキさんたちは明日から新しい仕事探しです。
 でも、キシネさんたちも大変です。引継書に書かれていた仕事は巧妙に多くの必要不可欠な業務工程が省略されておりました。契約した金額では大赤字。職場は混乱するし、御客様にも多大な御迷惑が掛かります。これにはライヨンさんたちもビックリ。
 タムキさんたちはなぜこんな酷い事をしたのでしょう。最初はね、ライヨンさんたち経営陣に恨みつらみはありましたが、ちゃんとした引継書を作って御客様にご迷惑のかからぬよう… と考えていたのですが、そんなタムキさんたちの仕事を理解していなかったのは経営陣のライヨンさんたちだけでなく御客様のドウツブたちも同じだったのです。それなら…
 今そこには無人の施設があるだけです。働く人も、訪れる御客様もいません。完全なる負の遺産です。ライヨンさんたちも、タムキさんたちも、キシネさんたちも、そして御客様のドウツブたちも。どこがいけなかったんでしょう? どうしたらよかったんでしょう。
 こたえるヒトはいません。そこにはただ風だけが吹いているだけでした。20161009-2+
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