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イキカタ

 線路を見ている。ホームから線路を見ている。駅のホームから線路を見ている。じっと、駅のホームから鈍く光る二本の平行に走る線路を見ている。
「おお~い、ナニしてんのぉ」声が聞こえてくる。よく見るとミゾブチさん。「ナニしてんのさぁ~ そんなとこでぇ、アブナイぞぉ~」いいぇ、ミゾブチさん、アブナイって、そっちの方が… 
「あらあらあら、タチバナさん、おひさしぶりぃ~」トノヤマさん、ああ、ほんとお久しぶりです。そんなとこで何を… 「タチバナさん、痩せたぁ? なんか、顔色も…」そんな事言われても嫌な気はしない、本気で心配してくれてる口調だもの。
「ああ、もう! トノヤマさん、ダメだよ、失礼だよ、そんな言い方。タチバナさんのカオイロ普通だよ、ふ、つ、う」オオシマさん、変わらない丸い顔の口を尖らせてトノヤマさんに文句を言ってる、いつもの様にヤサシイ。そして…
「でもさ、ナンでそっちにいるのさ。そこはアブナイよぉ。」三人が口をそろえて話しかけてくる。「ほら、イソがないと、電車が来ちゃう! ホームにいるとアブナイって」ホームは危ない? 「だめだめだめ、迷っちゃダメ! ハヤク来なさいって」トノヤマさん…
「ほら、ハヤク、イソがないと…」ミゾブチさん、オオシマさん… あれ、そういえば三人とも… ホームにアナウンスが流れ、レールの振動がわかる。「ほら! 急いで、イソイデ! 一瞬だから… とべぇ!!」 ひざを曲げ、みんなのいるところへ行こうとした時、目の前を列車が。駅員さんが鳴らす警告のホイッスルが、ああ… さっきから鳴っている。
 停止した列車とホームの間からミゾブチさんとトノヤマさんとオオシマさんが「あああ、そっちはアブナイから… コッチの方がいいのに… ラクなのに」私を見上げてササヤク。
 ごめんなさい。同じ職場の三人が選んだイキカタを、まだ私は選べない。まだ大丈夫、でも、いつかそのうち。こっち側が耐えられなくなったら、三人がまた誘ってくれたら… 20170213+
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Author:KU2
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